【呼吸器電源切れ】大阪府警「くらら吹田」施設長らを過失致死で書類送検

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大阪府吹田市内の介護付き有料老人ホーム「メディカル・リハビリホームくらら吹田」(同市朝日が丘町24-3)で昨年8月20日夜、入所中で寝たきりの重病女性(68)が付けていた人工呼吸器の電源を入れ忘れて窒息死させたとして、大阪府警察本部は1月5日、同ホームの女性施設長(36)=同府茨木市=と女性准看護師(53)=兵庫県伊丹市=を業務上過失致死の疑いで書類送検した。いずれも容疑を認めているという。

府警捜査1課によると、この准看護師は昨年8月20日夜、寝たきりの女性のたんを吸引する際に人工呼吸器の電源をいったん切ったが、再起動させずに酸素不足で窒息死させたとされる。 その供述によると、「たんの吸引の際にアラーム音が鳴るのが煩わしく、ふだんから電源を切っていた」としている。

また女性施設長は「医療行為は医師や看護師にすべて任せきりになっていた」などと供述。さらにこの施設長は、今回事故の2ヵ月前の昨年6月にも別の同ホーム看護師が女性利用者の人工呼吸器の電源を約30分間にわたって入れ忘れていた事案が発生していたにもかかわらず、家族や運営会社側には伝えず、その再発防止を怠ったともされる。

女性利用者は筋肉が萎縮していく重病を患って自発呼吸が困難のため、人工呼吸器を常時着ける必要があったという。たん吸引の際に長時間チューブを気管から抜いたままにしていると警報音が鳴ってしまうが、本来は吸引作業中もそのまま電源を切ってはならない。しかし、同ホーム施設における介護現場ではそれを避けようと電源を切ることが常態化していたと思われる。

メディカル・リハビリホームくらら吹田は、株式会社ベネッセスタイルケア(滝山真也社長、東京都新宿区西新宿2-3-1)が運営する介護付き有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護施設)で、2001年12月開設。RC造地上4階建て1棟 で、定員48人(全室個室)という施設概要。この吹田施設の運営会社・ベネッセスタイルケア社の老松孝晃取締役は「あってはならないミスで人命が失われ、被害者と家族に深くおわびしたい。全国の事業所に急いで再発防止策を示していくことが責務と考えている」などと語った。

いっぽう女性の遺族である長女と次女は、代理人の弁護士を通じてコメントを発表。「ホーム看護職員のほとんどが人工呼吸器の適切な使い方を知らず、過去にあった同様の事故についても対策や報告が一切なされていなかった。入居者の安全という根本的なことが軽視され、企業の都合が優先されたことが残念でならない。安全管理を徹底し、二度と同じような事故を起こさないでほしい」などと指摘。今後は、運営会社などを相手取っての損害賠償を求める訴訟を起こすことも検討しているもよう。

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