厚労省、社会福祉法を改正へ 「地域共生社会」を位置付け 事業者の責務も明記

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厚生労働省は今月20日に召集される通常国会で、介護保険法とあわせて社会福祉法の改正も目指す方針だ。介護や障害、子育て、生活困窮といった分野の垣根を越えた総合的な支援を展開する「地域共生社会」の理念を書き足す。生活の課題をトータルで把握し、相互に連携しながら解決に向かうよう努めることを、行政や事業者の責務として明記する。順調に成立までこぎ着けられれば、2018年度から施行する予定。

「地域共生社会」は、厚労省が福祉の青写真として新たに打ち出した概念。「地域包括ケアシステム」より広い意味を持ち、政策のターゲットを高齢者だけに限定していないことが特徴だ。縦割りの制度に個々のケースを当てはめ、困難を抱えている人を分けて扱うのをやめる―。あらゆる関係者が協働し、ワンストップの効率的な仕組みによって包摂していく―。そうした構想が軸になっている。ニーズの多様化・複雑化が進む一方で、現場を支える人材の確保がさらに難しくなってきている現状が、このコンセプトに光が当たった背景だ。塩崎恭久厚労相は昨年7月、省内の幹部らで構成する「地域共生社会実現本部」を立ち上げた際に、「これまでの縦割りを『まるごと』に改める。福祉の哲学を転換する」などと語っていた。

厚労省は今後、「地域共生社会」の考え方を社会福祉法にも位置付けたいという。通常国会に出す改正案には、種類を問わず様々な相談を横断的に受け付けられる体制を整えたり、現行では任意とされている「地域福祉計画」を策定したりすることを、市町村の努力義務とする規定も盛り込む。

厚労省はこのほか、各地で取り組みを普及させるためのモデル事業も推進する。開かれた窓口となる地域包括支援センターや社会福祉協議会、社会福祉法人に加えて、主体的に参画するNPOや民生委員、自治会、子ども会なども後押しし、相互を結ぶネットワークを育てていく計画だ。昨年末に閣議決定された来年度の予算案には、全国100ヵ所程度で実施する経費として20億円を計上した。

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