AIやロボットの活用を介護報酬に反映 首相が表明 人員基準見直しも 具体化を指示

《 左:未来投資会議 10日(画像出典:首相官邸HP)》
安倍晋三首相は10日の「未来投資会議」で、2025年を見据えて新しい医療・介護システムの構築を目指す意向を表明した。健康の維持や重度化の予防、自立の支援といった視点をより重視した制度に変えるとともに、人工知能(AI)やロボット、見守りセンサー、ICTなど最先端の技術をフル活用していく構想を説明。改革のスピードを早めるため、施設・事業所の人員配置基準や報酬の見直しに踏み込むと言明した。

未来投資会議

増大するニーズに応えられる効率的な体制を作りつつ、膨らみ続ける社会保障費の抑制も達成したいという思惑がある。安倍首相は席上、「パラダイムシフトを起こす。目標時期を明確にし、そこから逆算して実行計画を決める」と号令をかけた。「2025年はすぐそこ。間に合うように新たなシステムを2020年までに本格稼働させていく」とし、関係閣僚に具体化を求めた。

塩崎恭久厚生労働相はこの日、当面の取り組みの工程表を提示。2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に、安倍首相の指示に沿った施策を盛り込みたい考えを明らかにした。詳細な議論はそれぞれの審議会で進める。今後、イノベーションの基盤をなす有用なデータベースの整備や、ハイテク機器を活用するメリットの実証などを急ぐ。2020年代初頭には、AIによる診療やケアの合理化、精度の高い遠隔サポート、科学的に裏付けられた介護、職員の負担軽減などを実現できるように展開するという。

会議に出席した有識者は、介護報酬改定で実施すべき措置を提案。ロボットなどの導入を促す仕掛けを組み込むことに加えて、自立支援の観点で効果が高いケアの内容を構造化・標準化し、それを行わない事業者の報酬を下げることも打ち出した。診療報酬については、遠隔医療の評価を対面と同等に設定することや、AIによる診療の最適化を後押しすることなどをあげている。

会合後に会見した石原伸晃経済再生担当相は、「我が国が抱えている少子高齢化、人口減少といった課題を、イノベーションの社会実装を通じて解決していく」と強調。「医療・介護の分野はさらに議論を深掘りしていきたい」と意欲をみせた。政府は今後、与党や現場の関係者との調整にも力を入れる方針だ。

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