退院から在宅支援での看護をスムーズにおこなうために

  • コラム
  • 宮川明子
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最近、医療分野では看護師を中心に「PFM(ペーシェント・フロム・マネジメント)」というシステムが導入されるようになりました。患者一人ひとりの状況について、病態や入院前まで送ってきた社会生活、あるいは病気への理解やそれに対する感じ方などを把握。入院中から退院後まで、切れ目のない看護体制を作ろうというシステムです。つまり外来・入院・在宅介護の中で、患者の退院前の生活と退院後の生活を見守る一貫した支援を行うというもの。このシステムについて、家族、そしてケアマネジャーという2つの視点から見ていきます。

医療と介護をつなげるためには何が必要?

「PFM(ペーシェント・フロム・マネジメント)」によって地域へスムーズに戻るためには、カンファレンスで次サービス担当者が退院段階で本人・家族と一緒にしっかり打ち合わせすることが重要。それによって、家族も安心できるでしょう。「病院ではこのようにしていた。それを家で行うには、どのようにすれば良いのか」ということを、家族と病院、在宅ケアの担当者が話し合えるようにすることが大切です。

実際に全員が揃うことは難しい話ですが、病院側と介護側からそれぞれ以下のような人たちが揃えば、スムーズに地域へ戻るのに助かるでしょう。

<病院側>

看護師や医師、病棟看護師、栄養士、容態によっては理学療法士や作業療法士、栄養士などコメディカルの人たち。

<介護側>

ケアマネジャー、看護・介護を受ける方(以後、A氏)が介護保険で利用する在宅サービス機関の看護師、退院後に利用する施設のスタッフ など

「プロ」して必要なこと

これに伴い登場するのが、“退院調整看護師”という部門です。その仕事としては、具体的に次のようなものが挙げられます。

1)入院の前後に実施されるスクリーニング、およびアセスメント

周辺環境を把握し、本人・家族の意向をヒアリングしたうえでの支援検討したうえで、その支援に関する情報を患者および家族へ共有する。

2)本人および家族の求める、また必要となる支援内容について自己決定を促す

3)地域内での支援サービス調整

このうち1以外については、看護師の仕事ではないでしょう。2・3は別分野での専門性が必要な仕事であり、「MSW(メディカルソーシャルワーカー)」が担っているはずの支援です。福祉事務所とも連携することもありますし、ここまで病院の看護師が行うことには無理を感じます。

また、医療的ケアに関するアドバイス、外来の看護師や在宅の看護サービスの関係者との引き継ぎなど、「A氏のことをきめ細かく把握している」ことが求められているのではないでしょうか。看護師は“看護のプロ”としての専門性が。そして、社会資源を活用して退院後の生活に関わるMSWもプロとしての専門性が必要です。A氏を病棟で実際に看護していないのであれば、やはり“看護のプロ”として退院後の支援は行えないのではないでしょうか。退院後の対応を専門に担当する職員というのであれば、すでにMSWがこの仕事を担っていることについて念頭に置き、PFMに組み入れていく方がサービスの向上に繋がると思います。

地域に帰る

ケアマネジャーはA氏の退院後のADLによって、退院後にA氏が受けるサービス機関と連絡調整します。どの職種の人に支援してもらうか。これを見極めるのも、ケアマネジャーの腕といえるでしょうか。

PFM導入は、まだまだ始まったばかり。課題はいろいろありますが、明らかに変わってきたのが医師だと言われます。家に帰ることを前提として治療方針を立てる人が増えてきたとのこと。住み慣れた家で安心して過ごせるよう、連携していきたいものです。

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