【訪介利用者に暴言虐待】神戸市「にっこライフケア」を6ヵ月停止処分

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神戸市保健福祉局高齢福祉部介護指導課は6月15日、介護ヘルパーによる高齢者への虐待が発生したとして、同市内の株式会社nicco(山田美那社長)が運営する訪問介護事業所「にっこライフケア」(同市長田区細田町6-1-13-201)を6ヵ月間の指定一部の効力停止処分とした。これにより、にっこライフケア事業所は、12月15日までの6ヵ月間のあいだ新規受け入れ停止および介護報酬請求が上限から2割減額となる。

今回の虐待事案が発覚したキッカケは昨年9月、神戸市長田区内の目が不自由な女性利用者(70)=介護度4=から「ヘルパーからきつい言葉を言われたり叩かれたりする」という苦情を受けた家族がカメラを密かに設置して介護の様子を録画した隠し画像にあった。

着替え介助のため女性宅を訪れていた50代の女性ヘルパー2人が「こいつ頭おかしいんちゃうんか」「うっとおしい」「だぼ(=のろま・愚か者などを意味する関西弁)」などと20回以上も悪態をつきながら、女性の太ももを小突いたり、乱暴にベッドに動かしたりしている映像が約95分間にわたって残された。この画像提供をうけた市介護指導課が昨年10月から事業所管理者とヘルパーら計13人に聞き取り調査をスタート。そのご介護保険法および高齢者虐待防止法に基づく監査を実施するなか、身体的・心理的虐待にあたると認識するようになる。

市によると、利用者を虐待したとされる訪問介護ヘルパー2人はいずれも職場のリーダー格を担うベテランであった。市の聞き取り調査に対して2人は当初のうち「手荒く介護し、多数の暴言を吐いた」と認めたうえ、「もともと自分で出来ることをやろうとせずに反抗的な女性にいらだちがあった」などと話したとされる。

市では、身体に外傷が生じる恐れのある暴行を加えて暴言で心理的外傷を与えた虐待事案と正式認定し、今回の行政処分へとつながることになる。しかし今年2月以降、行政手続法に基づき今年2月から5月にかけて事業所側の言い分を聞く聴聞を3回開いたところ、nicco事業所側は代理人弁護士を同伴させて「これは虐待ではない」と繰り返し主張するようになったという。

今回の行政処分をうけた当日も、nicco社側は市内で代理人弁護士と山田社長、さらに市が虐待をしたと認定した女性ヘルパー1人の計3人が出席して記者会見の場を設置。「たしかに発したことばは不適切だった。しかし、もともと自分で出来ることをやろうという介護方針に納得してもらいながらヘルパーは丁寧に介護しようとしていた。これを虐待として処罰を受けるのは不当」「虐待は市の事実誤認。これを虐待と言われたら、だれ一人介護の仕事なんて従事できない」などと代理人弁護士は語気を荒らげる。

さらに今後は今回処分の取り消しを求め、神戸地方裁判所に提訴する意向をもしめしている。

以下、介護保険法第77条第1項第5号にもとづく今回処分の理由・認定事実など詳細は次のとおり。

【要介護者に対する人格尊重義務違反】介護保険法第74条第6項に該当

平成27年9月に利用者の家族から神戸市に持ち込まれた録画映像をもとに介護保険法および高齢者虐待防止法に基づく監査を実施し確認した内容

(1)平成27年9月に、2名の職員が利用者に対して、介助中に「うっとおしい」と怒鳴り、「こいつ」「頭おかしい」「だぼ」等、度々暴言を浴びせた。

(2)平成27年9月に、2名の職員が利用者を床からベッドに放り投げるように乱暴に移動介助を行なった。1名の職員が右手甲で利用者の右大腿部外側を2~3度小突き、もう1名の職員は更衣介助の際に荒っぽく利用者の腕を服の袖に通した。また、利用者の上体が左右に揺れるほどに、更衣介助は荒々しく、ベッドに移動させることなく床の上で更衣介助を行なった。

■神戸市「介護保険法に基づく指定訪問介護事業所の指定の一部効力停止処分」
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2016/06/20160602133301.html

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