介護外国人労働者の在留資格新設や技能実習を解説 国会図書館調査

介護分野の外国人労働者受入れ問題 調査と情報―ISSUE BRIEF― NUMBER 913(6/30)《国立国会図書館》

今回のポイント
●国立国会図書館が、「介護分野の外国人労働者受入問題」を調査・解説
○介護の在留資格が新設された場合、日本の介護福祉士養成施設を卒業して、国家資格を取得した留学生に在留資格
○在留資格新設は留学生の学費などの金銭的負担が大きい上、賃金水準が他職種と比較して低く働く外国人が増えるか疑問も
○外国人労働者の受け入れは拡大しても縮小することはないと見込まれ、態勢の議論を継続することが必要

国立国会図書館はこのほど、調査と情報―ISSUE BRIEF―として、「介護分野の外国人労働者受入れ問題」(濱野恵氏)を公表した。調査と情報は国政上の課題に関する簡潔な報告・解説をするシリーズ。

報告では、政府が入管法改正による専門的・技術的分野の在留資格「介護」の新設と、外国人技能実習制度への介護分野の追加の2つの方法で、介護分野の外国人労働者の受け入れを進める方針と説明。このため、「入管法改正法案」と「技能実習法案」の2法案が2016年通常国会に提出されていたが、会期終了に伴い継続審査になっていると解説している(p8~p9参照)。

介護の在留資格が新設された場合、日本の介護福祉士養成施設(福祉系大学、専門学校等)を卒業して、介護福祉士の国家資格を取得した留学生は在留資格が認められ、日本での就労が可能。一方、外国人技能実習制度は開発途上国から技能実習生を受け入れ、実習生の母国の経済発展を担う人材を育成することを目的とした制度。在留資格は入管法に基づく「技能実習」で、介護分野が対象職種に追加された場合、最長3年間日本に在留することが可能になると説明した(p6~p7参照)。

しかし、在留資格新設は留学生の学費などの金銭的負担が大きい上、介護分野の賃金水準が他職種と比較して低いため、介護分野で働く外国人が増えるか疑問が呈されていると解説。一方、技能実習制度の介護分野への拡大は低賃金の外国人単純労働者の受け入れルートになっていると指摘があり、実習生の労働条件の低さや人権侵害等に対する批判も強く、介護の質が低下して低賃金の職として固定化するなどの懸念も挙がっているとしている(p9参照)。

このため、「外国人労働者の受け入れよりも、長時間労働や不規則勤務の解消、他業種より低い賃金水準の是正などの労働条件の改善が必要との主張があることは当然」と指摘。しかし、「今後、外国人労働者の受け入れは拡大しても縮小することはないと見込まれるのであれば、どう態勢を整えるべきか議論を続ける必要がある」と提言している(p11参照)。



■資料PDFダウンロードはこちらから■
http://www.care-mane.com/pdf/news/201607/20160706-4.pdf
記事の資料ダウンロード・著作権について
提供:厚生政策情報センター

コメント[18

コメントを見るには...

このページの先頭へ