安倍首相、消費増税の再延期を表明 介護職員の賃上げは「優先して実施していく」

《 安倍首相 》
安倍晋三首相は1日に記者会見を開き、2017年4月に予定していた消費税率の10%への引き上げについて、2019年10月まで2年半延期すると正式に表明した。参院選は6月22日に公示、投開票を7月10日にすると説明。ここで決断の是非を問い、支持を得られれば「アベノミクス」をさらに展開したい考えを示した。
消費増税で得る財源を使うはずだった社会保障の充実策については、「全て行うことはできない」と述べた。一方で、介護職員の賃金を月額の平均で1万円程度引き上げることなど、目標とする「1億総活躍社会」の実現に向けたプランで打ち出した施策については、「財源を確保して優先して実施していく」と明言。「今の安倍政権になってから税収は増えた。そうした『アベノミクス』の果実の活用も含めて進めていく」とした。
社会保障の充実策には、所得の低い高齢者を対象にした介護保険料のさらなる減額が含まれている。今回の増税の見送りにより、当初の計画通り実現されるかどうかは不透明な状況となった。安倍首相は会見で、「社会保障は可能な限り充実させていく。優先順位をつけながら、今後の予算編成の中で最大限努力していく」と理解を求めた。
政府は「1億総活躍社会」のプランに、特別養護老人ホームや地域密着型サービスといった高齢者の受け皿を、2020年代初頭までに追加で50万人分整備することも盛り込んでいる。これは優先されるメニューのひとつで、安倍首相は「スケジュールどおり確実に進めていく」と約束した。
会見ではこのほか、今年度の第2次補正予算案を今秋に編成する方針も明示された。安倍首相は、「総合的かつ大胆な経済対策を講じる。アベノミクスのエンジンを最大限にふかす。3本の矢をもう一度力いっぱい放つ」などと力説した。
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