介護・障害・保育、制度横断的な拠点や人材育成を推進 厚労省が新福祉ビジョン

  • 政府・行政
  • 介護のニュースサイト Joint
  • 26
  • 閲覧数:8,910

《 新たな福祉サービスのシステム等のあり方検討プロジェクトチーム 17日 》

社会の変革に伴うニーズの多様化・複雑化。ますます難しくなっていく担い手の確保。そうした課題を念頭に置き、今後の舵取りの方向性を描いたという。

厚生労働省は17日、福祉サービスに関わる部局の幹部で構成するプロジェクトチームの会合を開き、「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」をまとめた。

介護や障害、子育て、生活困窮者といった分野の垣根を越えて、「全世代・全対象型地域包括支援体制」の構築を目指すと打ち出したことが最大の目玉。具体的な方策には、受け入れる人を限定しない相談の窓口やサービスの拠点をつくったり、より広く横断的な能力を持つ人材の育成を進めたりすることを盛り込んだ。

地域包括ケアを発展・拡大、複数の資格を取りやすく

新たなビジョンでは、共働き世帯やひとり親世帯の増加、少子高齢化、核家族化、つながりの希薄化、格差の拡大といった環境の変化が要因となり、「これまでのように分野ごとに相談・支援を提供しても、必ずしも十分とは限らない状況が生じてきている」と指摘。「すべての人が、年齢や状況を問わず、その人のニーズに応じた適切な支援を受けられる地域づくりを進める」「地域包括ケアシステムの考え方を全ての人に発展・拡大させ、各制度とも連携する」といった方針を掲げ、これを「全世代・全対象型地域包括支援体制」と位置づけた。また、将来にわたってサービスを持続可能なものとしていくため、限られた資源をできるだけ効率的に使うことも重要な視点に据えている。

具体策のひとつが、ワンストップで相談できる仕組みの普及だ。ひとりで子どもを育てながら親の介護も担うなど、複数の困難を抱えている人から「包括的相談支援推進員(仮称)」が話しを聞き、地域のサービスのコーディネートにあたるという。基本コンセプトは、「対象者を制度に当てはめるのではなく、本人のニーズを起点に支援を調整すること」とした。

高齢者や障害者、子どもなど様々な人が通える一体的な拠点づくりも推進する。当面は各地域の先進的な事例を参考にしつつ、モデル事業を展開してノウハウの共有を図っていく計画だ。人員配置や設備の基準の緩和、介護報酬での対応、補助金の要件の見直しも検討するとした。

幅広い知識やスキルを持つ人材の育成に向けては、資格を持っている専門職を対象に試験の科目を免除するなど、複数の資格を取りやすくする仕掛けを用意する。また、他の分野の基礎的な知識を習得するための新たな研修についても、具体的な協議を始めるとした。詳細はこれから詰めるが、「コーディネート人材としての社会福祉士のあり方を検討する」とも記載している。

「狭間のニーズに応える。大きな流れにしたい」

厚労省の担当者は、「できるものは今年度から着手する。来年度予算の編成に向けて財源を要求しているものもあるので、それで取り組みを加速できれば」と説明。それなりに時間を要する施策については、今年度中にもそれぞれ行程表を策定する意向を示した。

省内で調整にあたった橋本政務官は、17日のプロジェクトチームの会合が終了した後で取材に応じ、「制度の狭間、狭間のニーズにきちんと対応できる体制がいるという問題意識でまとめた。今後は進捗が見えるようにして実現に向けて進めていきたい。大きな流れをつくっていけるようにしたい」と語った。介護保険を担当している老健局の三浦局長は、「様々なサービスを複合的に提供するというビジョンを踏まえ、地域包括ケアシステムそのものも進化させなければならない」と述べた。

コメント[26

コメントを見るには...

このページの先頭へ