算定区分のQ&Aで「気になる」こと

平成27年度からの介護報酬改定について、厚労省よりQ&Aが示されています。まだ第一弾ということで、今後も引き続き示されていくことになるでしょう。さて、この第一弾の中で気になる点を一つ取り上げます。それは、居宅介護支援費の取り扱い件数別の区分と「新しい総合事業」との関係です。

総合事業のケアマネジメントの取り扱いとは

件のQ&A(問180)を見てみます。「居宅介護支援費IからIIIの区分については、居宅介護支援と介護予防支援の両方の利用者の数をもとに算定しているが、新しい介護予防ケアマネジメントの件数については取り扱い件数に含まないと解釈してよいか」というものです。Aは「貴見のとおり」となっています。

つまり、仮に新しい総合事業における介護予防ケアマネジメントを受託した場合、その数がどんなに増えても、居宅介護支援費の区分に影響を及ぼさないわけです。確かに、示されている「算定上の留意事項」を見ても、基本単位を区分するための方法として、(1)指定居宅介護支援事業所全体の利用者に、(2)指定介護予防支援事業者(つまり包括)から委託を受けた介護予防支援にかかる利用者の2分の1を加えた数をベースとしています。

予防給付と総合事業の「線引き」について

ここで、要支援の人に適用される予防給付サービスと総合事業によるサービスの「線引き」について振り返ってみましょう。予防訪問・通所介護にあたる2つのサービスのみを使った場合、そのケアマネジメントは総合事業における介護予防マネジメントとなります。

一方、それ以外のサービス、つまり予防訪問看護や予防通所リハビリなどを一つでも使うことになった場合、こちらは予防給付によるケアマネジメントが行なわれます。極端な話、予防訪問・通所介護のほかに「福祉用具」を一つ導入しただけでも、ケアマネジメントの扱いは変わってくることになります。

ちなみに、前者の総合事業による介護予防ケアマネジメントについては、包括が手がけるだけでなく、「初回(1クール)だけ包括が手がけ、それ以降は居宅のケアマネが担当する」ことが想定されています。その場合、予防訪問・通所介護にあたる「現行相当サービス」の利用に際しては、予防給付におけるケアマネジメントの流れとほぼ同じになります。

ところが、こちらは算定区分に影響をおよぼす「2分の1を乗じての取り扱い件数」とはなりません。ケアマネとしては、仮に総合事業の委託を受けても算定区分を気にする必要はないわけですが、一方で釈然としない部分も残るのではないでしょうか。

簡易型でも「負担は同じ」というビジョン

市町村が総合事業をスタートさせたとして、どこまで包括単独で介護予防ケアマネジメントを手がけるかには、地域によって差があるようです。すでに「原則として居宅のケアマネに委託する」という動きも見られます。

その時、居宅介護支援を運営する法人としては、「算定区分に影響が及ばないのであれば、積極的に受けよう」と考えることも想定されます。対象者が将来的に重度化して、「継続的な顧客」となる可能性を見込むからです。

問題は、そうなった際の現場のケアマネの負担でしょう。たとえ「現行相当サービス」を使わない簡易型のケアマネジメントであっても、「利用者を重度化させない」という使命感の強いケアマネであれば、法人側が想定する以上に労力を注ぎ込もうとします。そもそも、「ケアマネジメント業務の軽重は、利用者が重度であるか否かとは関係ない」という考え方で業務にのぞむケアマネも多いからです。

国としては、「負担のかからない業務スタイルでこなせばよい」と考えているのかもしれません。区分算定に影響を与えないということは、そういう考えが見え隠れします。しかし、そこには「軽度の利用者ほどしっかりかかわって重度化させない」というビジョンが欠けてはいないでしょうか。何気ないQ&Aの中に、ケアマネ業務の本質を問うポイントが隠れていることに注意したいものです。

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