親切心につけこむ「老人ホーム入居権」の買え買え詐欺にご注意!

独立行政法人国民生活センターは6日、急増する「老人ホーム入居権買え買え詐欺」について注意を促した。

2010年度以降に寄せられた相談件数は149件だったが、昨年末までで前年度同期の3倍強にあたる相談が寄せられている。契約者はほとんどが60歳代以上で、70歳代が6割を占めている。性別では女性が多く8割弱。すでに支払ってしまっている件数は25件(全体の30.5%)で、平均既支払い金額は約551万円にのぼる。

この詐欺が特徴的なのは、消費者の親切心や同情心につけこんで購入させようとする点にある。「入居したい人が多いが権利を購入できず困っている」「パンフレットが届いた人しか入居できない」「お金は払うので、人助けだと思って代わりに申し込みだけしてほしい」などと言って、あたかも人助けになるかのように思わせ、消費者に老人ホーム入居権を購入させようとする。

高齢者にとって老人ホーム等への入居はひとごとではなく、そうした高齢者の気持ちにつけこみ、その親切心や同情心を巧みに悪用しているのだ。

こうした不審な電話があった場合には、相手にせずすぐに電話を切り、最寄りの消費生活センター等に相談しよう。

■具体的な相談事例

【事例1】
・老人ホームの社員権 -入居を待っている人がたくさんいる!?
自宅に老人ホーム社員権のパンフレットが届いた後、別の業者(A社)から「社員権がまだ空いているか聞いてほしい」との電話があった。パンフレットの医療会社に電話したら「よかったですね。ぎりぎりまだ買えます」と言われた。
A社にそれを伝えたところ「老人ホームの入居を待っている人がたくさんいる。名義を貸してほしい。お願いします、お願いします」と何度も言われ、人助けになるならと思い、承諾し、名前と住所と年齢を伝えた。
その後、A社から「あなたの名前で手続きしました。3,000万円をこちらで振り込みました。このことは誰にも言わないでほしい。あなたとの会話は録音してあります」と言われ、内緒にするのはおかしいと思った。
息子に話したら詐欺だと言われた。私が承諾したことを録音されていると思うと心配だし、もし3,000万円払えと言われたら高額で払えない。どうしたらよいか。(2013年10月受付 契約当事者:70歳代 女性 無職)

【事例2】
・老人ホームの入居権 -入居権利申込書を持っている人しか申し込めない!?
数日前、来春完工予定の介護療養型老人ホームのパンフレットと入居権利申込書が自宅に届いた。今日、別の業者(B社)から「この老人ホームに入居したい人が6、7人いる。業者からの申し込みは受け付けてもらえない。入居権利申込書を持っている人しか申し込めない。評判がよいのでいっぱいになっているかもしれない。迷惑をかけないので、まだ空いているかどうかあなたの名前で聞いてほしい」と電話があった。
人助けになるかと思い、指示された老人ホームの電話番号に電話した。
「400人の募集で後60人分しか空いていない。すぐに申し込んだほうがよい」とのことだったので、その旨をB社に伝えたところ、「急いで払い込まないとふさがってしまう。払い込みに行ってくるので30分待ってほしい」と言われた。
30分後にB社から電話があり「あなたの名義で4,000万円を振り込んだ。入金があったかどうか老人ホームに聞いてほしい」と言われた。老人ホームに電話をすると、「入金があったので、すぐに入居権利申込書をFAXしてほしい」と言われた。申込口数40口、合計金額4,000万円、申込日、住所、氏名等を記入してコンビニからFAXした。
娘からおかしな話だと言われた。どうすればよいか。(2013年9月受付 契約当事者:80歳代 男性 無職)

■消費者へのアドバイス■
(1)「代わりに申し込んで」「名義を貸して」「あなたの名前で買った」などと持ちかけてくる不審な電話は買え買え詐欺。相手にせずすぐに電話を切りましょう!
買え買え詐欺では、パンフレットが送られてきた後に、証券会社などをかたる者から「パンフレットが届いていないか」「パンフレットが届いた人しか買えない」「代わりに申し込んでほしい」「名義を貸してほしい」「あなたの名前で買った」などの不審な電話がかかってきます。こうした不審な電話がかかってきたら、相手にせず「興味ありません」「お断りします」と言ってすぐに電話を切ってください。
一度電話に出ると切りにくくなります。
そこで、留守番電話機能を利用して、かかってきた電話には出ず、必要に応じて後でかけ直すようにする方法が有効です。また、発信者番号表示機能のある電話を使用している場合には、番号非通知や知らない番号からの電話には出ないという方法もあります。

(2)業者とやりとりしてしまっても、話をうのみにせず、絶対にお金を払わないでください!
今回のケースでは、業者は「入居したい人が多いが権利を購入できず困っている」「お金は払うので、人助けだと思って代わりに申し込みだけしてほしい」などと言って、消費者の親切心や同情心を巧みに悪用して老人ホーム入居権を購入させようとしています。中には「親を入居させてあげて親孝行をしたい」「被災地の方を入居させてあげたい」などと言ってくるケースもあります。
業者が持ちかけてくる話の内容や送られてくるパンフレットは非常に巧妙にできていますが、話をうのみにせず、絶対にお金は払わないでください。一度お金を払ってしまうと取り戻すことは極めて困難です。なお、実際に消費者が購入した権利や商品が業者によって買い取られたり、謝礼が払われた事例は一件も確認できていません。また、業者が現金を宅配便で送付するよう指示する場合がありますが、そのようなこと自体一般の取引ではありえません。

(3)すぐに消費生活センター等に相談してください
少しでも疑問や不安を感じた場合には、すぐに消費生活センターやご家族・友人等に相談してください。お金を払う前に相談することが重要です。

(4)日頃から家族や身近な人による高齢者への見守りが大切です
トラブルにあっている方の多くが高齢者です。高齢者の消費者トラブルの未然防止のためには、家族や身近な人の協力が不可欠です。日頃から家族やホームヘルパーなどの身近な人が本人の様子や居室、居宅の変化などに気をつける必要があります。

独立行政法人国民生活センター

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