ケアマネに明るい未来がくる!? -介護を主要な産業へ-

医療や福祉を社会保障としてとらえるだけでなく、経済成長をうながす糧とする流れが動き出しました。
その1つが、厚労省の「医療・介護・保育『未来への投資』プロジェクトチーム」の発足です。
11月20日に第1回の会合が開かれましたが、大臣・政務官と、医療・介護・保育などの分野を担当する官僚が顔を合わせ、「未来への投資」という重厚な名を物語るメンバーとなっています。

提示された資料の中で、特に目を引くのは、社会保障分野の経済効果が、他業種に比べても大きいという指標です。
特に、雇用をどれだけで作り出すことができるかという指標(雇用誘発係数)については、主要産業の中で「介護」がダントツの1位。
しかも平均的な係数の2倍近くを記録しています。

これまで社会保障関係のデータといえば、「高齢化の進行でどこまで社会保障費がふくらむか」といった、財政への影響を示すものばかりが目立ちました。
その意味で、社会保障分野が「大きな成長の可能性」を持つというテーマは大きな転換の1つといえます。

ただし、現実に目を向けると、医療や介護を産業の屋台骨として育てていくには、多くの課題もあります。
医療・介護の現場は人手不足が進み、患者・利用者側には十分なサービスが受けられていないという不安も目だっています。
仕組みそのものを整理していかなければ、「成長の可能性」には結びつきません。

この日、提示された資料では、前政権で設けられた「社会保障国民会議」での改革案が取り上げられています。
大きな流れとしては、1.急性期医療に力を入れて早期の社会復帰をうながす、2.退院後の受け皿となる在宅医療や介護サービスの拡充を図るというものです。

しかしながら、現場のケアマネジャーにとってはピンとこない点もあります。
例えば、病院から在宅に戻った利用者の不安をカバーできるだけの、在宅支援診療所や24時間対応の訪問介護・看護がどれだけ整えられているのか。
医療や看護などとの連携がますます重視される中、ケアマネジャーの努力をきちんと評価した報酬がつけられるのか。
こうした点はまだはっきりと示されていません。

とはいえ、こうしたプロジェクトチームを立ち上げるということは、介護を主たる産業に押し上げたいという新政権の強い姿勢が現れていることは間違いありません。
このチームが軌道に乗ったとき、例えば「在宅の基盤を整えるうえで大切な投資の1つに、ケアマネジャーの待遇改善は欠かせない」というメッセージもいずれ出てくるでしょう。
次期介護保険制度改正に向け、希望をもって議論の行方を見守りたいものです。


■用語解説
社会保障国民会議…08年1月福田元内閣のもとに設置されたもので、2025年を1つの目標として、社会保障のあり方を幅広く議論するための場。同年11月に最終報告が示されている。

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