【不正還付】介護福祉事業「エリシオン宮崎」の経理責任者など逮捕される

虚偽の確定申告などにより消費税など約6,400万円にものぼる不正還付金を受け取ったとして、宮崎地方検察局はこのほど宮崎県内の介護福祉事業「エリシオン宮崎」(加行仁司・鶴田聡子 代表取締役、宮崎市薫る坂1-19-3)の経理責任者・脇田儀雄容疑者(59)を消費税法違反および地方税法違反の疑いで逮捕した。
また、脇田容疑者が作為的な消費税還付など不正をもくろんでいることを認識しながら空調機械の架空注文書を作成して脇田容疑者に渡したなどとして、宮崎市内の空調設備会社「光永設備工業」(宮崎市佐土原町下那珂4518)の代表取締役社長・永野蔀容疑者(62)も両法違反幇助の容疑で同時に逮捕。
同地検は熊本国税局との合同で、エリシオン社の県内各事業所や両容疑者宅をふくむ14ヵ所を対象とした家宅捜査など鋭意進めていく方針だ。

地検の説明によると、約半年間の課税期間を設定したうえで、本来なら非課税扱いとされるべき介護ベッドなどの販売費・売上高を課税対象と偽って計上。
さらに出入り業者であった永野容疑者と共謀して、エリシオン社が光永設備工業の下請け会社であるかのように装って架空の空調設備工事なども課税売り上げとして算入した。
そして、あたかもエリシオン社の課税売り上げが95%以上であるとする虚偽の確定申告書を作成し、06年5月に宮崎税務署へ提出した。

こうした課税対象売り上げの水増しの結果、05年度中(05年10月6日から06年3月31日)にエリシオン社が有料老人ホーム2棟を建設した際の工事費用などの支出(約12億8,200万円)に対応する消費税約6,400万円の還付を同税務署に執行させて、06年6月、エリシオン社の銀行預金口座へ振り込ませて、それらを不正に受け取った――以上のことなどが主な逮捕容疑とされる。

ちなみに「エリシオン宮崎」社は05年10月6日に設立。
宮崎市・西都市内に24時間介護の介護付き有料老人ホーム2ヵ所と、都城市内に住宅型有料ケアホーム1ヵ所と通所介護事業所施設1ヵ所とを保有している。
このほか「空間事業部」として医療介護用ベッドの販売などにも手を広げるなど、その急成長ぶりが注目されていた。


消費税還付
消費税納付にあたって課税法人が「原則課税方式」を選択すると、当該課税期間における「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いた額が消費税額とされる。
ここで「預かった消費税」よりも「支払った消費税」のほうが大きければ、差し引きマイナスで支払い超過ということで、その分が後に国税当局から還付される。
そこで「会計年度内の課税対象売り上げが95%以上を占めると課税期間内に支出した消費税が全額還付される」という消費税法上の「95%ルール」を拡大解釈・悪用する事例が頻出。
そこから、現行の消費税法における最大の欠陥としても許させないか、あるいは法に基づいていれば不法とまでは言えない節税にすぎないのか――といった論争ともなってきた経緯もある。
一般的な「手口」としては、消費税の課税期間を一時的に短期に設定したうえで、納めるべき消費税と支払い済みの消費税との差額を作為的に発生させ、その分の消費税還付を不正に受けるといった「租税回避行為」が輸出入業者やマンション投資業などを中心に横行しているとされる。

■関連サイト
株式会社エリシオン宮崎 HP

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