施設の報酬や算定要件について議論 第84回介護給付費分科会

社会保障審議会 介護給付費分科会(第84回 11/10)《厚労省》

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提供:厚生政策情報センター

厚生労働省が11月10日に開催した、社会保障審議会の介護給付費分科会で配付された資料。この日は、サービスごとの個別論点検討の第3弾として、施設系サービスについて報酬や算定要件などの議論を行った。

特別養護老人ホームについて
次の6つの論点が厚労省から示された。
(1)看取り機能を強化するための、外部医師によるターミナルケア推進(p4~p10参照)
(2)多床室への室料負担導入(p10~p15参照)
(3)ユニット型個室の利用者負担軽減(p11~p15参照)
(4)居室定員2名以上の施設における報酬の減額(p15~p16参照)
(5)報酬体系の見直し(p17~p19参照)
(6)社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の推進(p20~p21参照)

(1)の提案に対しては、村上委員(老施協総務・組織委員長)が、「山間部やへき地における対応としては好ましいが、特養ホーム全体に導入するのは慎重に考えるべきである」と反論。

一方、齋藤訓子委員(日看協常任理事)は、「厚労省案に賛成するが、医師だけでは十分な看取りは行えない。必要に応じて看護師もターミナルケアに対応する仕組みを導入してはどうか。その際、外部看護師を入れるか、施設の配置看護師で対応するかは施設側の選択に任せる仕組みが好ましい」と提案している。

(2)と(3)はセットで提案されている。多床室の室料負担と、ユニット型個室の利用料軽減で財政中立を図る考えを厚労省は示している。これにより、個室ユニット化を推進したい考えで、老健施設や介護療養型医療施設についても同様の提案が示されている(p48参照)(p63参照)。多床室利用者の負担水準としては、月額8,000円程度が想定されている(p13参照)。

(5)は、介護報酬を施設の定員規模別に区分し、また要介護度別の報酬の適正化を行うというもの。介護事業経営実態調査結果から、施設の規模が大きくなるほど、収支差率の向上などが見られたためだ(p17参照)。この提案について、村上委員は強く反論している。

老人保健施設について
次の6つの論点が示された。
(1)在宅復帰・在宅療養支援機能の充実した施設に対する基本サービスの新設、その他施設の基本サービス費引き下げ(p38~p40参照)
(2)在宅復帰支援機能加算の算定要件見直し(p41~p42参照)
(3)入所前からの、退所を念頭においた施設サービス計画策定・診療方針決定に対する加算(p42~p43参照)
(4)一部疾病に施設内で対応した場合の加算(p44~p46参照)
(5)施設内で看取りを行った場合の評価(p46~p47参照)
(6)脳卒中・大腿部頚部骨折にかかる地域連携パスに基づいて患者を受け入れ、計画管理病院に文書で診療情報提供を行った場合の加算(p47~p48参照)

(1)は、老人保健施設の本来の設立目的である「在宅復帰」を推進するための施策だ。厚労省は、「在宅復帰・在宅療養強化型介護老人保健施設(仮称)」の要件として、(i)自宅への復帰率50%以上(ii)ベッド回転率(1ヵ月の、定員あたり退所者割合)10%以上―と考えているようだ(p39参照)。

この厚労省案に対しては、勝田委員(認知症の人と家族の会副代表理事)から「利用者の望まない退所や、在宅復帰しやすい軽度者選択(クリームスキミング)が起こるのではないか」との懸念が出された。厚労省も「もっともである」とし、要件等を工夫する考えを示している。

(4)は、肺炎と尿路感染症に限り、施設内で対応した場合、1ヵ月に7日を限度として加算を行うもの。

介護療養型医療施設、および介護療養型老健施設について
病床再編を進めるために、次の5つの論点が示された。
(1)医療の必要性の高い利用者を受け入れる介護療養型老健施設を高く評価する一方で、介護療養型医療施設の報酬引下げを行い、療養病床再編を進める(p56~p59参照)
(2)有床診療所を併設した介護療養型老健施設へ転換する場合に、一定の範囲内で介護療養型老健施設の増床を認める(p60参照)
(3)看取りを進めるためにターミナルケア加算を見直し、従来型老健施設との区別を図る(p60~p61参照)
(4)施設基準緩和などの転換支援策を、平成30年3月31日まで延長する(p62参照)
(5)経過措置型介護療養型医療施設の新規指定を認めない(p63参照)

(1)は、介護療養型老健施設を(i)現行型(ii)強化型―の2タイプに分け、(ii)を現行型より高く評価するもの。(ii)の施設要件としては「喀痰吸引・経管栄養を実施している入所者割合が一定以上」かつ「認知症自立度IVまたはMの入所者割合が一定以上」と厳しく設定されることになるようだ(p56参照)。

このほか、(1)口腔ケア(p69~p72参照)(2)サテライト型小規模多機能型居宅介護(p73~p78参照)(3)福祉用具貸与(p79~p89参照)―についても、見直し案が示されている。

(2)は、地域の実情にあわせて小規模多機能型居宅介護を普及させるために、サテライト型の事業所設置を認めるというもの。この提案に対しては、設立から4年を経過しても4割以上が赤字であったり、20人以上の登録があっても3割以上が赤字である小規模多機能の報酬に問題があるのではないかとの指摘も出された(p76参照)。

(3)の福祉用具については、「福祉用具専門相談員に、利用者ごとの個別サービス計画作成を義務づける」点が注目される。

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