【直撃】ケアマネ協会が介護報酬改定を「概ね良い結果」とみる理由

新たに適用される単位数など具体像も明らかになった4月の介護報酬改定 − 。居宅介護支援の内容をどうみるか、政府への要請活動なども行ってきた日本介護支援専門員協会の柴口里則会長に聞いた。【青木太志】

※ この記事は日本介護支援専門員協会・柴口里則会長へのインタビュー取材に基づいてJoint編集部が作成したものです。

想像以上にシビアだった交渉

総じて言うと概ね良い結果だったと捉えています。昨年の議論のプロセスを振り返ると、当初の見通しはかなり厳しいものがありました。基本報酬の引き上げはもはや難しいのではないか、という雰囲気さえ広がっていたんです。

新型コロナウイルスの感染拡大で介護現場は厳しい状況に追い込まれましたが、それは必ずしも我々に限った話ではありません。幅広い業界で多くの方が苦境に立たされておられるでしょう。介護報酬の引き上げは国民負担の増加に直結します。それでも我々は必要だと訴え続けてきましたが、副反応を考慮した慎重論にもかなり強いものがありました。

ですから交渉は想像以上にシビアだったんです。基本報酬がほんの少し上がるだけでも御の字かな、と感じるほどでした。最終的にどう決着したかは皆さんご承知の通りです。

もちろん、私もこれで十分だと思っているわけではありません。ただ、介護現場の実態も考慮に入れて相応の評価をして頂いたと認識しています。

粘りに粘った関係者

要因の1つは経営実態調査でしょう。今年度の結果で、居宅介護支援の利益率が▲1.6%と大幅に悪化したことが大きかったと捉えています。処遇改善加算の対象に含まれないなど、ケアマネジャーにあまり光が当たってこなかった近年の経緯も影響したかもしれません。

我々だけでなく多くの関係者が、粘りに粘って政府に働きかけた成果だとも感じています。本当に何度も何度も、たとえ「無理だ」と言われても最後まで諦めることなく、力を合わせて要望を重ねてきました。その甲斐も少しはあったかなと思っています。

繰り返しになりますが、我々もこれで満足しているわけではありません。次回の改定に向けて引き続き、地域で活躍するケアマネにとって必要な施策の具体化を求めていきますし、その体制の拡充、組織力の強化に力を尽くすつもりです。

コロナ禍での報酬増

新たなご負担を頂く国民の皆様には、心から感謝しています。

我々は期待に応えなければいけません。社会全体がコロナ禍で苦しむ中での報酬増ですから、専門職としてしっかり受け止めて有効に活かしていく責任があります。

当たり前ですが、いい加減な仕事はできません。プロとしての役割をしっかり果たし、高齢者のために、あるいは地域共生社会のために力を尽くす必要があります。

そうした努力をしない人が多ければ、結局また、次回以降の改定で厳しい評価を受けることになるでしょう。

1人44件は十分に可能

逓減制の緩和も、我々が繰り返し要請してきたことの1つです。

次回は逓減制の緩和に加え、新たな加算や次の2024年度改定にも話が及んでいきます。

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