【直言】無能なケアマネは逓減制の緩和を使うな=結城康博


《 淑徳大学・結城康博教授 》

居宅介護支援の介護報酬の逓減制が、今年4月の改定で緩和されることになりました。今回はそのお話です。【結城康博】

私は全く良いことだと思えません。反対です。事業所の経営を好転させる狙いもあるようですが、それならやはり基本報酬の引き上げをベースに対応すべきだったでしょう。

心配なのはケアマネジメントの質の低下です。もちろん、多くの優秀なケアマネは44件まで持っても十分に職責を果たせるはずです。そこは問題にならないでしょう。

一方で、かなりいい加減な仕事しかしないケアマネが少なからず存在することも、残念ながら事実だと言わざるを得ません。

私はケアマネとして現場で働いた6年間を含め、これまで20年ほど介護に関わってきています。そんな非常に浅い経験を基に言わせて頂くと、ケアマネ全体の2割から3割は低レベルの人ではないでしょうか。専門職としての意識も技術も乏しく、誰かの文句ばかり言っている人がいますよね。私は従来から、そういう人に早く辞めて頂きたいと言い続けてきました。

全体の2割から3割が無能と指摘しましたが、それは7割から8割がまともだということです。優秀なケアマネが少なからずいて、高齢者の尊厳を守るために地域の最前線で幅広い支援を精力的に展開していることも、改めて強調させて頂きたい。引き続きの活躍を期待し、心から応援しております。

非常に懸念されるのは、低レベルなケアマネが44件まで無理に抱え込むことです。これは是非やめて頂きたい。監査対策だけしっかりやって、他の仕事はほとんどいい加減な人にケアプランを作られる高齢者のことを考えると、心苦しい気持ちになります。

厚生労働省も矛盾していますよね。あれだけ質の向上、質の向上と言い続けてきたことと、今回の逓減制の緩和は完全に逆行するのではないでしょうか。政策の一貫性がない、完全なご都合主義だと言わざるを得ません。

恐らく事務員の配置やICTの活用などで大丈夫、というお話をされるんだろうと思いますが、それで効率化が図れるのは一部のデスクワークだけです。時間が作れたら肝心の相談援助、連携調整などに使ってもらうべきで、ケースを増やすのは悪手ではないでしょうか。

逓減制の緩和は、ケアマネジメントの質の維持・向上を図る観点から見送るべきでした。仮に断行するとしても、既にケアマネ不足が顕在化している過疎地などに留めるべきだったと考えます。

全面的に認められたのは残念ですが、既に決まってしまったことなので仕方ありません。無能なケアマネはどうか逓減制の緩和を使わないで頂きたい。

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