ケアマネは事業の組織化を目指せ 1人では苦しくなるばかり


《 淑徳大学・結城康博教授 》

全体でプラス0.7% − 。こうした大枠の決定を受けて、4月の介護報酬改定をめぐる業界の関心は点数配分の仕方へ移りました。【結城康博】

今回から2回ほど、居宅介護支援について言いたいことを言わせて頂きたい。

何より重要なのは、ケアマネジャーの人材不足をこれ以上深刻化させないこと、ケアマネジメントの質を更に高めていくことです。そのためにはまず基本報酬。思い切って引き上げることがベストです。

ただ全体の改定幅をみると、やはり今回もそんなに期待はできないでしょう。国は逓減制の緩和に踏み切るようですが、そのことについては次回に詳しく意見します。ここでは皆さんに事業の組織化、事業所の大規模化を勧めさせて頂きたい。いつまでも小規模、あるいは1人ケアマネのままでいると、経営的に苦しくなっていく一方だと捉えているからです。

私は過去に6年間ケアマネとして働いた経験もありますが、どうもケアマネには「一国一城の主でいたい」と考えている人が多いと感じています。今後もそうありたいと思うのは自由ですが、それで経営が良くなることはないでしょう。もし収入を増やしたいなら組織化に挑むべきです。どちらか一方です。組織化は面倒で嫌だけど収入はもっと欲しい、というのは非現実的な望みと言わざるを得ません。

確かに基本報酬が大幅に上がれば一番いいですよね。ただ国の財政事情を考慮すると、今後の改定でも可能性は極めて低いと言わざるを得ません。今回のように良くて微増。引き下げだって十分にあり得るでしょう。厳しいようですがそれが現実です。基本報酬が上がらないのであれば、収入を増やす道は組織化しかありません。

まずは5人以上、理想的には10人以上の職員が働く事業所を目指して頂きたい。特定事業所加算の上位区分を算定すれば、経営は大きく好転します。「加算I」までいけば十分な収益が出てくるでしょう。他の加算にも手が届くようになります。仲間同士でお互いをフォローし合えるようになり、ケアマネジメントの質の向上にもつながります。お休みもずっと取りやすくなるでしょう。

そうやってしっかり組織化を図っていかないと、新たに入ってくる人材の処遇も十分なものとはなりません。業界全体を良くすることにもつながるんです。1人ケアマネを全て否定するわけではないですが、たとえ逓減制の緩和を活かして収入を少し増やしたとしても、組織化を進める事業所との格差は開いていくばかりでしょう。

繰り返しになりますが、基本報酬の大幅増は今後もほとんど期待できません。それが現実です。収入を増やしたいなら一国一城の主をやめ、組織化を模索するしかないでしょう。そのことはケアマネジメントの質の向上、職場環境の改善、人材の確保にも結び付きます。

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