受診時定額負担の見直しなどの議論取りまとめ 社保審・部会

社会保障審議会医療保険部会(第138回 12/23)《厚生労働省》

社会保障審議会・医療保険部会は23日、医療保険制度改革の在り方に関する「議論の整理」案を、おおむね了承した。紹介状を持たずに大病院の外来を受診する患者の初・再診について一定額を保険給付範囲から控除し、それと同額以上の定額負担を増額する仕組みに見直すが、あくまでも例外的・限定的な取り扱いとすることを明記した。厚生労働省は案に微修正を加えた上で、最終的に遠藤久夫部会長(学習院大学教授)預かりで取りまとめる。

「議論の整理」案によると、紹介状なしでの大病院受診時定額負担の仕組みの見直しは、政府の全世代型社会保障検討会議が14日にまとめた「改革の基本方針」に沿った内容。

具体的には、患者からの定額負担の徴収義務の対象に、現行の特定機能病院や一般病床200床以上の地域医療支援病院のほか、地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機関」として報告された医療機関のうち、一般病床200床以上の病院も加える。

また、紹介状なしで大病院を受診する患者から徴収する定額負担は現在、初診が5,000円以上、再診では2,500円以上だが、外来機能の分化を図るため初・再診については一定額(初診なら2,000円程度)を保険給付範囲から控除し、それと同額以上の定額負担を増額する仕組みにする。

さらに、大病院から「かかりつけ医」機能を担う地域の医療機関への逆紹介を推進。再診を続ける患者への定額負担を中心に、この仕組みの除外要件も見直す。こうした方針に基づき、中央社会保険医療協議会で具体的に検討する必要性を強調した。

徴収義務の対象病院については「200床以上の一般病院に範囲を拡大すべき」といった意見と、「一般病院については地域によって果たしている機能が違うため、手上げ方式にするなど、地域住民の医療の確保に支障が生じないような地域の実情に応じて丁寧な対応を行うべき」といった意見の両方を盛り込んだ。

2割負担への意見も両論記載

75歳以上の医療費窓口負担割合の見直しでは、所得基準や長期頻回受診者への配慮措置、施行時期などについて議論した。

このうち、負担割合の引き上げの対象となる所得基準については、厚労省が後期高齢者の所得上位20%、25%、30%、38%、44%の5つの選択肢を提示。これに対する「高齢者の生活状況を踏まえて慎重に考えるべき」「介護保険制度の考え方に倣うべき」「現役世代の負担軽減効果を最大とするため、範囲を一般区分全てとすべき」といった意見も盛り込んだ。

また、全世代型社会保障検討会議が「改革の基本方針」で示した方針も明記した。現役並みの所得者を除く後期高齢者でも、単身で「課税所得28万円以上かつ年収200万円以上」の場合は負担割合を2割(現在1割)とする内容。

こうした政府の方針に対し「全ての世代が公平に支え合う全世代型社会保障に向けて一歩前進。着実な施行を実施すべき」との肯定的な意見や、「これまで働いてきた75歳以上の高齢者の負担を増やすのは公正ではない。抜本的な改革をするのであれば、高齢者にだけ負担をかけるのは間違い」との否定的な見解も記載した。

ただ、このテーマに関する医療保険部会としての考え方や今後の方向性が示されていなかったため、議論では、保険者側の委員がそれらを盛り込むよう要望した。部会後、厚労省の担当者は、その意見を「議論の整理」に反映させるかどうかは、遠藤部会長の判断によると説明した。

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