後期高齢者の医療費2割負担、一般区分とすべき 民間議員が提言

全世代型社会保障検討会議(第11回 11/24)《首相官邸》

政府の全世代型社会保障検討会議の民間議員を務める中西宏明・日立製作所会長が24日の会合で、後期高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる対象者について、高額療養費制度での「低所得者」の区分を除いた「一般区分」に該当する75歳以上の人にすべきだと提言した。これに基づくと、後期高齢者の約52%に当たる約945万人が対象となる。一方、医療団体の関係者は、応能負担の対象は限定的にすべきだと主張した。こうした意見を踏まえ、同会議は年内に最終報告をまとめる。

中西氏は、後期高齢者の窓口負担が2割となった場合でも高額療養費によって自己負担額に上限があることや、現役世代の負担の実態などを十分に周知することが重要だとも指摘した。

また、増田寛也・日本郵政社長は、現役世代の保険料負担への依存度や、2割負担導入時の1人当たりの負担額の変化が、後期高齢者医療と介護保険で異なるとした上で「介護保険の2割負担の対象範囲を参考に後期高齢者医療の2割負担の対象範囲を論じることはできない」とした。

この日の会議では、関係団体からのヒアリングも行われた。

日本医師会の中川俊男会長は、後期高齢者は1人当たりの医療費が高いため、年収に対する患者の一部負担の割合は既に十分に高いと説明。負担割合の引き上げによって、受診控えにつながる恐れがあるとした。

また、収入や所得を考慮した応能負担は本来、保険料(共助)と税(公助)で求めるべきであり、患者の一部負担での応能負担は限定的にすべきだとした。

紹介状なしで受診した患者から定額負担を徴収する義務のある病院に関しては、2020年4月から、対象が200床以上(従来は400床以上)の地域医療支援病院に広がったばかりであるため、まずはその検証を行うべきだと強調。外来の機能分化を図るには患者を地域に戻すことが有効で、定額徴収が極めて少ない再診時の定額負担を強化すべきだとした。

相澤孝夫・日本病院会会長は「一般病院200床以上の病院においても急性期以外の病床を有する病院が相当数ある」とし、一律に200床以上の一般病院を徴収義務の対象とすることに慎重な姿勢を示した。

一方、佐野雅宏・健康保険組合連合会副会長は後期高齢者の窓口負担について、低所得者を除いた上で、原則2割負担とし、少なくとも高額療養費の一般区分の人を全て2割負担にする必要があると主張した。

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