生活援助の頻回利用への対応で議論 社保審・介護給付費分科会

社会保障審議会介護給付費分科会(第192回 11/9)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会の9日の議論では、生活援助の訪問回数が多い利用者への対応が俎上に載った。2日の財政制度等審議会・財政制度分科会で、届出が義務付けられている生活援助の頻回利用について、届出を避けるために生活援助サービスが身体介護に振り替えられているのではないかとの見方から、身体介護も含めた訪問介護全体の回数で届出を義務付ける制度の改善を図るべきと、財務省が提言したことなどを受けたもの。

・第192回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

2018年度介護報酬改定において、訪問介護の生活援助中心型サービスで通常よりもかけ離れた回数をケアプランに位置付ける場合には、ケアマネジャーが市町村へ届け出ることを義務化し、市町村が地域ケア会議で検証の上、必要に応じて再検討を促すことが決まり、18年10月から届出が開始された。

厚生労働省が保険者を対象に行った調査では、18年10月から19年9月までに市町村へ届出のあった訪問回数の多いケアプランについて(5,576件)、「地域ケア会議以外の方法で検討を行った件数」が2,218件、「検討をまだ(19年10月末日までに)行っていない件数」が1,572件、「地域ケア会議で検討を行った件数」が1,442件で、「無回答」が344件だった。「検討をまだ行っていない件数」の内訳を見ると、「検討の予定がない(検討しない)件数」が46.9%で最多だった。

厚労省は、届け出ることで一定数のケアプランが再考された実態もあるとする一方で「要介護度別に一律の基準(回数)を当てはめることが適切か」との指摘があることなどを論点に挙げて、運営面の見直しやより良いサービスを提供するという観点からどのような検討が考えられるか意見を求めた。

鎌田松代委員(認知症の人と家族の会理事)は「回数が減ればよいのか」と反発。そもそもアセスメントして必要だとマネジメントされた回数で、認知症初期などの場合、生活援助を受けてなんとか自宅で暮らせている最重要サービスだと主張し「訪問回数が多い利用者」と呼ばれること自体が心外だと述べた。

また、伊藤彰久委員(連合総合政策推進局生活福祉局長)も、回数で一律にスクリーニングするのはケアプランの性質から適切ではないため、さまざまな職種の人がかなりの負担を強いられる点を考え、届出回数を見直すなどの改善が必要だとした。

一方、安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、再考すべきなのに再考されないケースがあるなら、指摘の通り、身体介護も含めた訪問介護全体の回数で届出を義務付ける等の改正を図り、セットで議論される仕組みの検討を求めた。

濱田和則委員(日本介護支援専門員協会副会長)は、「ケアプラン自体は多職種で協議したものであるということを前提に理解してほしい」とし、「その上で、事務負担の少ない方法が望ましいと考える」ため、頻度やICTでの入力・提出を検討してほしいと述べた。

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