デイケアのリハマネ加算、要件見直しへ議論 社保審・分科会

社会保障審議会介護給付費分科会(第188回 10/15)《厚生労働省》

15日の社会保障審議会・介護給付費分科会は、通所リハビリテーション(デイケア)の報酬や基準の方向性についても検討した。自立支援、重度化防止の取り組みを推進する観点から、「リハビリテーションマネジメント加算」などの算定要件や区分の見直しが俎上に載った。また、デイケアは新型コロナウイルスによる収支への影響が大きいサービスでもあることも踏まえ、大規模事業所の報酬体系について見直しが検討された。

・第188回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

デイケアを巡って、2021年度介護報酬改定での見直しの方向性が示された具体的項目は、▽リハビリテーションマネジメント加算▽生活行為向上リハビリテーション実施加算▽入浴介助加算▽リハビリテーション計画書と個別機能訓練計画書の書式の見直し▽事業所規模に応じた基本報酬-について。

このうち、リハビリテーションマネジメント加算は、「調査」「計画」「実行」「評価」「改善」のサイクル構築と、これを回すことで継続的にリハビリテーションの質を管理することを評価する加算。18年度の介護報酬改定でも、算定要件などが見直されている。この時、最も評価が高い加算区分として新設された(IV)の要件では、VISITを用いてリハビリテーション計画書などのデータを厚生労働省に提出することなどを求めている。また、厚労省の調査(18年1月-19年1月)によると、同加算(I)を算定しているデイケア事業所の割合は90.0%に上っていた。

現状の説明を受け、井上隆委員(経団連常務理事)は、同加算(I)の廃止や上位区分への集約を求めた。河本滋史委員(健康保険組合連合会常務理事)も同様に、加算区分の整理を求めたほか、VISITへのデータ提出をほかの加算区分の要件にも広げることを提案した。

これに対し、東憲太郎委員(全国老人保健施設協会会長)は、VISITを用いたデータ提出をほかの加算要件などに拡大していくのであれば「現場の負担というものをきちんと考えていただかないと算定率が上がらない」とくぎを刺した。

また、生活行為向上リハビリテーション実施加算は、リハビリテーションマネジメント加算(II)-(IV)のいずれかを算定した上で、生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識を持つリハビリ専門職の配置や、計画の策定などを行うことを評価する加算。デイケアの利用開始から3カ月以内の利用者に対しては月2,000単位を、3カ月を超えて6カ月までの間は月に1,000単位を算定できるが、この加算を算定した上で6カ月以上デイケアの利用がある場合は、基本報酬が減算される。加齢や廃用症候群などによって低下した利用者の「活動をするための機能」を回復させるためのものだが、算定率は19年10月時点で0.4%と低い。

はま田和則委員(日本介護支援専門員協会副会長)は、生活行為向上リハビリテーション実施加算について、仕組みが複雑なことから「利用者に十分な説明と理解を促していくということが必要」と指摘した。また「うまく対象に合致する利用者がなかなか見つかりにくいという意見も散見される」ことにも触れ、「当該目的に沿った対象利用者像と事業所とのマッチングが図られるような要件の見直し」を要望した。

東委員は算定率の低さに触れ「加算の廃止を含めた総合的な見直し」を求めた。

事業所規模の拡大による経営の効率化を損ねない報酬体系を

同日は、大規模事業所の基本報酬の在り方についても意見が交わされた。19年度の介護事業経営概況調査によると、平均延べ利用者数が月751人以上900人以下の大規模型(I)通所リハビリテーション費と月901人以上の大規模型(II)通所リハビリテーション費を算定している事業所の収支差率が逆転していたことなどを踏まえた。

井上委員は、ほかのサービスとも共通して「大規模化を進めるべき」と主張。スケールメリットによって質の高いサービスの提供がしやすくなることや、処遇をはじめとした職場環境の改善など、改めてそのメリットを説いた。

江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、デイケアの基本報酬を検討する視点として「1時間以上2時間未満の短期通所リハビリテーションと6時間以上の長時間型の通所リハビリテーションは、利用者の状態像やニーズはそれぞれ異なる」と指摘。「役割に応じた評価軸というのが今後必要である」とした。また「サービスの質の評価という物差しを入れることもなく、規模が大きくて効率的で利益が出やすいというような形で当初、大規模減算が導入された。今後の介護事業所の在り方としては、安定的に質の高いサービスを提供する観点からは大規模減算というのは報酬体系の中ではなじまない」とも強調した。

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