夜間対応型訪問介護の人員配置要件や基本報酬で議論 社保審分科会

社会保障審議会介護給付費分科会(第187回 10/9)《厚生労働省》

厚生労働省は9日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」「夜間対応型訪問介護」の人員配置要件について、同じ地域密着型サービスである「小規模多機能型居宅介護」に合わせ、計画作成責任者(面接相談員)の管理者との兼務を可能とすることなどを明確化する案を示した。夜間対応型訪問介護については、基本報酬のうち出来高部分に重点を置くことも検討された。

・第187回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護は、いずれも市町村に指定された事業者がサービスを提供する「地域密着型サービス」。このうち、夜間対応型訪問介護については、これまでの分科会において、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に組み込むなど、将来的な集約化を視野に入れた検討がなされている。厚労省の「介護給付費等実態統計」によると、全国の定期巡回・随時対応型訪問介護看護の請求事業所数は右肩上がりにあり、2019年4月時点で946。一方、夜間対応型訪問介護の請求事業所数は15年の192が最大で、以降は横ばいから減少傾向にある。19年4月時点の事業所数は172。

2つのサービスについてこの日論点となったのは、▽定期巡回・随時対応型訪問介護看護および夜間対応型訪問介護の人員配置要件の明確化▽夜間対応型訪問介護の基準緩和▽夜間対応型訪問介護の離島や中山間地域におけるサービスの充実-について。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の人員配置要件については、18年度介護報酬改定の効果検証調査結果から、指定権者によって「夜間のオペレーターの自宅待機が認められている」事業所が11.8%あることが分かった。なお、同じ地域密着型サービスであり、利用者の求めに応じた柔軟な訪問サービスを提供する小規模多機能型居宅介護の人員基準では、夜間の随時訪問サービス対応要員が必ずしも事業所内にいる必要がないことが明確化されている。

こうした状況を踏まえて厚労省は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や夜間対応型訪問介護でも、オペレーターや随時訪問サービスを行う訪問介護員は、必ずしも事業所にいる必要はないことを人員基準上明確化することを提案(サービス提供に支障がない体制が整備されていることが前提)。また、計画作成責任者(夜間対応型訪問介護は面接相談員)と管理者との兼務を可能とすることも示した。

さらに、夜間対応型訪問介護については、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基準に合わせて、▽オペレーターが兼務可能な職務の範囲について併設施設の職員との兼務または随時訪問サービスを行う訪問介護員などとの兼務▽複数の事業所間で、随時の対応サービス(通報の受け付け)を「集約化」すること▽地域の訪問介護事業所などに対し、事業を「一部委託」すること-を可能にするよう見直す。

夜間対応型訪問介護の基本報酬上の「メリハリ」俎上に

夜間対応型訪問介護については、基本報酬に関しても具体的な見直しの方向性が示された。

同サービスの基本報酬は、「定額(オペレーションサービス)+出来高(訪問サービス)」を算定する「夜間対応型訪問介護費(I)」と「包括報酬」となっている「夜間対応型訪問介護費(II)」の2種類があり、事業所の9割以上が(I)を算定している。また、(I)を算定している利用者の70.9%がオペレーションサービスのみを利用し、月に一度も訪問サービスを利用していない。

そこで、厚労省は「出来高部分に重点を置くなど、定額と出来高の報酬にメリハリをつけること」を検討するよう提案。訪問系サービスとしては唯一認められていない、「特別地域加算」「中山間地域等における小規模事業所加算」「中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算」の対象に夜間対応型訪問介護を加えることも示した。

これに対して、河本滋史委員(健康保険組合連合会常務理事)は「メリハリをつけることは賛成」とした上で、将来的に定期巡回・随時対応型訪問介護看護に組み込むなど報酬体系の簡素化を進めることを検討すべきと改めて述べた。

一方、小泉立志委員(全国老人福祉施設協議会理事)は、夜間対応型訪問介護を定期巡回・随時対応型訪問介護看護に組み込むと、単位数が高くなり、ほかのサービスの利用が抑制される可能性があるなどとして懸念を示した。

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