介護付きホームの看護体制・機能訓練強化で議論 社保審・分科会

社会保障審議会介護給付費分科会(第187回 10/9)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会は9日、特定施設入居者生活介護(介護付きホーム)の報酬・基準についても検討した。幅広いニーズを持つ入居者の受け皿としての機能強化を図るため、現状では認められていない介護保険の訪問看護サービスや訪問リハビリテーションサービスの併算や、2018年度介護報酬改定で創設された「入居継続支援加算」の算定要件緩和などが論点となった。

・第187回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

介護付きホームの報酬・基準について論点となったのは、▽中重度者や看取りへの対応の充実▽機能訓練の充実▽「入居継続支援加算」の要件緩和-について。

介護付きホームにおける中重度者や看取りへの対応を評価する報酬上の仕組みとしては、看取り指針を定めて入居者などに対して説明し同意を得ることや職員研修の実施などを要件とする「看取り介護加算」や、夜間の緊急時対応を行うための「夜間看護体制加算」が挙げられる。

しかし、19年度の老健事業の調査結果によると、半年間で看取り実績があった介護付きホームの割合が61.4%だったのに対して、看取り介護加算を算定した施設の割合は27.0%だった。

また、看取り対応を原則的に行っていない介護付きホームでは、62.7%の施設がその理由について「夜間は看護職員がいないから」と回答している。常に夜勤や当直の看護職員を配置している介護付きホームの割合は14.7%だった。

介護付きホームでも、ますます高まる中重度者や看取りへの対応ニーズだが、看護職員を配置する事業所を評価する仕組みについては、反対意見も存在している。ICTなどを活用した介護現場の効率化と人員基準の緩和については厚生労働行政の枠組みを超えて検討が進められているところだ。厚労省はこうした状況を踏まえて、看取り介護加算などの在り方を含めた看護体制の充実について議論を促した。

また「入居継続支援加算」は、たんの吸引などのケアの提供を行う介護付きホームを評価する加算。入居者の医療ニーズに対応するために18年度介護報酬改定で創設されたが、19年4月時点でその算定率は1.68%にとどまっている。

同加算の算定要件としては「たんの吸引等を必要とする者の占める割合が利用者の15%以上であること」を満たす必要がある。厚労省はこの要件が重度者の受け入れに特化した介護老人福祉施設と同水準であることが、算定が進まない一因とみて、要件の緩和について検討することを提案した。

黒岩祐治委員(神奈川県知事)の代理で出席した水町友治参考人は、中重度者や看取りへの対応を進めるため「ACPに関する一定の研修を受けた看護職員等を配置することを加算の算定要件に加えてはどうか」と提案。江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は「この薄い(看護)配置では看取りへの対応は不可能」と指摘して、介護保険の訪問看護の併算も視野に、看護体制の強化を図ることを「重要な課題」とした。

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