後期高齢者2割負担、施行時期の設定提言 財政審分科会で財務省

財政制度等審議会 財政制度分科会(10/8)《財務省》

財務省は8日の財政制度等審議会・財政制度分科会で、現在は1割とされている後期高齢者(75歳以上)の医療費の自己負担割合を可能な限り広範囲で2割にするとともに、遅くとも2022年度初めまでにそれを実施できるよう施行時期を定めるべきだと提言した。また、患者が紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担の対象病院の拡大や、徴収額の引き上げも主張した。同分科会では、11月ごろにまとめる21年度予算編成に関する建議に向け、議論を深める。

・財政制度分科会(令和2年10月8日開催)資料一覧

この日の分科会は社会保障がテーマとなり、財務省は、▽患者負担の在り方▽薬剤費の適正化▽ガバナンスの強化▽医療扶助-などについての見解を示した。

このうち、患者負担の在り方に関しては、医療保険制度の持続可能性を確保するため、患者の年齢が上がるにつれて負担割合が低くなり、保険給付の範囲が広がる現在の仕組みを含めて見直す必要があると強調した。

特に後期高齢者の負担割合は、年齢を基準にひとくくりにするのではなく、貯蓄現在高や金融資産などの負担能力を踏まえるべきだと指摘。医療・介護保険で、所得だけでなく、金融資産の保有状況も勘案して負担能力を判定するための制度設計の検討を行うことを提案した。

総務省の調査では、65歳以上の高齢者世帯の約4割が2,000万円以上の金融資産を保有しているほか、収入が低い高齢者世帯でも、高収入の若者世帯と同じ程度の貯蓄現在高を保有していることが分かっている。

徴収金が医療保険財政に寄与する仕組みを

財務省はまた、患者が紹介状を持たずに大病院を受診する場合の定額負担の拡大は、医療提供を病院完結型から地域完結型へ転換する中で「嚆矢となる取り組み」と指摘。大病院は入院医療や専門外来に集中し、外来診療は紹介患者を基本とする機能分化を拡充するよう、「対象病院の拡大」や「定額負担の増額」といった見直しを求めた。

さらに、紹介状を持たない患者からの定額負担の徴収金は現在、対象病院の収入となっており、公的医療保険の負担の軽減につながっていないことを問題視。明確な形で医療保険財政に寄与するよう、制度的対応を講じるべきだと提言した。

医療費抑制へ、抜本的な制度見直しを引き続き議論

分科会の終了後、記者会見した増田寛也・分科会長代理は、新型コロナウイルスの感染拡大で患者の受診控えが生じて全体の医療費が一時的に減っているが、医療費の抑制に向けて抜本的な制度見直しの議論を引き続き行っていく考えを示した。

増田氏によると、この日は各委員から、「後期高齢者の2割負担は実現させるべき」「都道府県の医療費適正化計画における医療費の見込みを目標とすべき」「不妊治療の保険適用には賛成」といった意見が出た。

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