VISITやCHASEの活用推進などで議論 社保審・介護給付費分科会

社会保障審議会介護給付費分科会(第185回 9/14)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会は14日、サービス横断的なテーマとして2021年度介護報酬改定における自立支援・重度化防止の推進について検討した。論点の一つとなったのが、VISIT(通所・訪問リハビリテーション事業所から収集したデータベース)やCHASE(高齢者の状態やケアの内容などのデータベース。全ての介護保険サービスが対象)を活用した介護の質の評価と科学的介護の推進について。厚生労働省はこれらの活用を推進するため、両データベースの一部機能の統合や介護記録ソフトとのデータ連携などを進め、現場の負担軽減を図る方針を示した。

・第185回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

介護保険サービスにおける質の評価の在り方については、同分科会が17年末にまとめた「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」において、「2020年度の本格運用開始を目指すこととされているデータベースの構築により、介護の取組とそのアウトカムの関連の分析等を加速し、さらなるエビデンスを集積して、科学的な効果が裏付けられた介護サービスについて、介護報酬上の評価を検討するべき」とされていた。

これに関連して、18年度介護報酬改定ではVISITを用いて厚労省にリハビリテーションに関する情報(訪問・通所リハビリテーション計画書などの内容に関するデータ)を提出している訪問・通所リハビリテーション事業所を評価する「リハビリテーションマネジメント加算」の新たな区分「IV」が新設された。

しかし、同区分の加算を算定している事業所は19年10月時点でいずれも1%台にとどまっている。老健事業の調査によれば、VISITへの利用者情報の入力の負担について「大きい」と回答した事業所が全体の55.9%、「どちらかといえば大きい」と回答した事業所が32.4%あるという。

14日の同分科会で事務局は、VISIT・CHASEの現状と今後のスケジュールを提示した。それによると、20年5月からモデル事業など一部で運用を開始しているCHASEは21年度から本格運用を開始する。また、VISITとCHASE双方へのデータ入力や事業所へのフィードバック機能を統合すると同時に、介護記録ソフトとのデータ連携などを進めることで現場負担の軽減を図る。介護報酬の設計も、この対応に沿ったものを検討していく。

伊藤彰久委員(連合総合政策推進局生活福祉局長)は「科学的介護を実現するには、事業所に対するフィードバックが最も重要」と指摘。それが実現できない段階では各種加算の要件にデータ提出の実績を組み込むのは困難との見方を示した。また、介護記録ソフトとの連携に関して、介護報酬とは別にソフトの更新に対する金銭的な支援を求めた。東憲太郎委員(全国老人保健施設協会会長)は、ソフトの導入や更新のための費用として地域医療介護総合確保基金による補助率の引き上げを求めた。

また、井上隆委員(経団連常務理事)は、VISITやCHASEを普及させていくために、まずはデータ提出などの取り組みを評価する加算で誘導し、システムの普及が進んだ段階でアウトカム評価に移行していく考えが重要だと指摘した。

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