クラスター対策班接触者追跡チームの活動報告を公表 感染研

クラスター対策班接触者追跡チームとしての疫学センター・FETPの活動報告(7/17)《国立感染症研究所》

国立感染症研究所は17日、クラスター対策班接触者追跡チームに関する活動報告をホームページで公表した。厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部にクラスター対策班が発足した2月25日から5月20日までの現地派遣チームの活動概要を報告しており、30都道府県から58件の派遣要請を受け、計74のクラスター事例に対し、現地で対策支援を実施した。病院や施設でクラスターが発生した場合、多くの職員が感染者や濃厚接触者となり、勤務できなくなることにより「病院・施設の機能維持が困難となった」としている。

・クラスター対策班接触者追跡チームとしての疫学センター・FETPの活動報告

活動報告によると、接触者追跡チームは、同研究所感染症疫学センターの職員、実地疫学専門家養成コース(FETP)の研修生、FETPの修了生を主体に構成。計74のクラスター事例に対し、同研究所の職員17人、FETP研修生13人、外部組織所属の15人の計45人が現地で対策支援を行った。

要請1件当たりの派遣日数は1-54日(中央値5日)で、厚労省クラスター対策班が自治体の報道発表などを基に集計した結果に触れ「5月20日時点で計262事例(うち医療機関93事例、高齢者福祉施設41事例、障害者福祉施設9事例)のクラスターが国内で認められており、現地派遣チームは発生したクラスターの約3割に関与していたことになる」としている。

支援の内容も明らかにしている。派遣先では各自治体の要望に応じて、▽データのまとめ▽クラスターの発生要因や感染ルートの究明▽市中感染の共通感染源推定などの疫学調査支援▽医療機関や福祉施設などにおける感染管理対策へのアドバイス▽他自治体や関係機関との連絡調整-などを行った。

現地派遣チームが関与した医療機関の事例は36事例(病床200床未満の医療機関14事例、200-399床11事例、400床以上11事例)で、事例対応終了時の1施設当たりの感染者数の中央値は25例(範囲3-214)だった。

医療機関事例の感染拡大要因に関しては、▽基本的な手指衛生の不徹底、不十分▽不適切な個人防護具(PPE)の使用▽新型コロナウイルス感染症が疑われていない場合の不十分な標準予防策▽不適切なゾーニング-が考えられたと説明。また「Infection Control Team、 Infection Control Nurseおよび病院全体として、データ管理体制が備わっていない、指示系統が未確立、関係者間の情報共有が不十分であったことが全体像把握と初期対応の遅れ、感染拡大助長の要因となったと考えられた事例も認めた」としている。

感染拡大経路についても取り上げており、患者から職員への感染は「看護、介護等の業務に伴う飛沫、身体接触の多いケアを中心とする接触感染」、職員間の感染は「食堂、休憩室、更衣室などの換気しにくく、狭く密になりやすい環境での飛沫、接触感染」などを挙げている。病院や施設でクラスターが発生した場合、病院・施設の機能維持が困難となったことに加え「当該病院や施設の多くで、職員本人や家族に対しての差別、偏見で苦しむ職員が多く見受けられた」としている。

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