コロナワクチン、21年前半の接種開始へ 厚労省が開発加速

新型コロナウイルスワクチンの開発に係る取組み(6/1)《厚生労働省》ほか

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発プロセスの大幅な短縮を図り、日本医療研究開発機構(AMED)の支援で国内開発中のワクチンなどについて、2021年前半の接種開始を目指す。20年度第2次補正予算案で「ワクチン開発加速並行プラン」に500億円を計上、さらに生産体制を早期に整備するための緊急整備基金など1,455億円を組み込んだ。

・新型コロナウイルスワクチンの開発に係る取組み(6/1)

新型コロナの治療薬とワクチンの早期開発が待たれている中、治療薬はレムデシビルが日本でも承認されたが、ワクチンはAMEDの支援により5種類の開発が進行中で、まだ動物試験、あるいはそれ以前の段階。

ヒトでの安全性や有効性を見る臨床試験は、早いものでも7月から、あるいは9月からという状況だ。

ワクチンなど新薬開発には、候補物質の探索などの基礎研究を経て、特定した候補物質の有効性や安全性を確かめる動物試験を行い、その結果を踏まえて、ヒトでの安全性と有効性を確認する臨床試験へと進む。

また、臨床試験は、健常人を対象に安全性を確認する第1相試験、その結果を踏まえ、患者を対象に用量依存的な有効性を確認し用量設定まで行う第2相試験、さらに、その効果を検証するためプラセボと比較する二重盲検比較試験の第3相試験を行い、その結果として有用性が確認された場合に、新薬として承認申請する。

これら、基礎研究、動物試験、臨床試験のそれぞれに数年を要するのが通常だ。

新型コロナワクチンの国内での開発は、AMEDの主導で進められており、アンジェスと大阪大学が共同開発中のDNAワクチンが最短で7月から臨床試験を開始する状況。

また、IDファーマと国立感染症研究所によるウイルスベクターワクチンは、最短で9月から臨床試験を開始する状況にある。

これに続くのが、国立感染症研究所とUMNファーマ、塩野義製薬の組み替えタンパクワクチン、KMバイオロジクス/東大医科研/国立感染症研究所/医薬基盤研究所の不活化ワクチン、東大医科研と第一三共のmRNAワクチンだ。

厚労省の開発加速並行プランは、基礎研究の進行中に、動物試験を並行して開始。さらに、基礎研究と動物試験の進行中に臨床試験も開始する体制を作り開発を加速化させる。

最短でこうしたプロジェクトを進めるためのマネージャーも配置し、試験や書類の作成を専門業者に委託して、最速で進行させる。

さらに、厚労省の承認審査の期間も短縮する。審査期間の短縮については、すでに5月12日付の通知で、新型コロナウイルス感染症に関する新薬やワクチンは最優先で取り扱う方針を示しており、その第1号となった抗原検査薬は、申請から承認まで16日というスピード審査で対応した。

現在先行している2つのワクチンは、早期の臨床研究入りを図り、臨床研究も加速させて21年前半には承認申請し、最優先審査により迅速な実用化を目指す。

また、続いている3種のワクチンも、開発加速並行プランにより、早期に動物試験、続いて臨床試験を開始して、最短での承認申請を目指すことになる。

開発加速並行プランは、通常はまだ臨床試験の中期から後期の段階で、承認し接種を開始するというところまでの短縮を目指す。

また、ワクチンの生産設備は、通常、臨床試験が終わった段階で整備を開始し、1年程度を要する承認審査の間に完成させて供給体制を作り、生産体制ができても大量のワクチンが供給できるまでには生産開始から半年から1年程度を要するとされる。

これに対し、第2次補正予算案では、臨床試験の終了後ではなく、臨床試験が開始された初期の段階から、生産体制の整備を進め、最優先での審査により承認された段階で、供給開始できるようにする。

そのため、ワクチン生産体制等緊急整備基金として1,377億円を確保。接種に必要なシリンジや注射針の確保に50億円、ワクチンの供給量に応じて効率的にワクチンを配分し、ワクチン接種を実施する医療機関の調整などの体制を構築するなどの標準システムの開発運用に28億円を含め、総額1,455億円を計上している。

コメント[8

コメントを見るには...

このページの先頭へ