「臨時の医療施設」も診療報酬算定可能 中医協・総会で了承

中央社会保険医療協議会 総会(第456回 4/24)《厚生労働省》

新型コロナウイルス感染症対策として全都道府県に緊急事態宣言が発令され、軽症者や無症候感染者を隔離するため、ホテルを借り上げるなど新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)による「臨時の医療施設」を開設する準備が進められている。厚生労働省は、この「臨時の医療施設」についても、診療報酬の算定を認めることとし、24日に中央社会保険医療協議会・総会をオンラインで開催して了承を得た。病院または診療所として算定できる。

・中央社会保険医療協議会 総会(第456回) 議事次第

特措法では、「臨時の医療施設」については、医療法の第4章に規定する病院等の開設許可、構造設備等に関する基準を適用除外するものとしている。

一方、その他の規定は適用されるため、「臨時の医療施設」も、その機能や入院患者数などによって、病院または診療所に該当する。

そのため、厚労省は、「臨時の医療施設」に対する診療報酬の算定方法を中医協に提案した。

基本的には、通常の保険医療機関と同様の点数を算定できることとした上で、「臨時の医療施設」としての実情に応じて、柔軟な運用を行う。

ただ、入院の場合の入院基本料については、一般病棟では「重症度、医療・看護必要度」の判定などさまざまな規定がある中で、結核病棟入院基本料にはそうした規定がなく、また、通常よりバラエティのある看護配置の評価となっているとして、結核病棟入院基本料を準用する。

入院基本料に定められている入院診療計画の基準についても、「臨時の医療施設」では基本的に新型コロナウイルス患者であることから、柔軟な運用をすることとし、簡素化したものや標準的なフォーマットでも可とする。

入院基本料に対する各種加算は、通常通りの施設基準と算定要件を適用し、それらを満たしていれば、算定できる。

新型コロナウイルス感染症の中等症や重症患者の受け入れに対する特例的な対応としている救急医療管理加算(加算1を最長14日まで算定できる)、二類感染症患者入院診療加算(第二種感染症指定医療機関の指定なしでも可)なども、要件を満たせば算定できる。

議論では、日本医師会常任理事の松本吉郎委員が、外来医療でも届け出書類などについて柔軟な運用が必要だとした。

全国健康保険協会理事の吉森俊和委員は、柔軟な運用とは別に、最低限守るべき事項を明確にして、それを満たす場合に認めるべきとした。

厚労省保険局の森光敬子医療課長は、外来も含めて柔軟な運用を考えているとし、患者の安全を守る観点から最低限守るべき事項などについては至急整理して提示したいとした。

全日本病院協会会長の猪口雄二委員は、ホテルの利用が進められようとしていることを挙げ、医師や看護師などの要件を満たせば病院または有床診療所として認めるのかと質問。

森光課長は、ホテルを利用した宿泊療養について、「最低限、入院医療を提供している施設として守るべきことができている場合は(病院として)認める。そうでない場合は、例えば診療所という形で」とし、体制に応じて保険医療機関として認める考えを明確にした。

また、健康保険組合連合会理事の幸野庄司委員は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により健康保険組合の母体の企業も経営が厳しく、保険料収入が激減して極めて厳しい財政状況になることが想定され、支出の5割を占める保険給付の動向についても大きな不安があるとし、期中の予算組み替えを迫られる組合が出ることも想定されるため、今後の医療費の動向について四半期ごとに中医協に報告することを要望した。

森光課長は、データをまとめて報告したいと答えた。

中医協・総会は、初めてYouTubeでインターネット中継された。ただし、実況放映のみで、録画はされていない。

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