金融資産の保有を反映させた負担に慎重論が続出 社保審部会

社会保障審議会医療保険部会(第127回 3/26)《厚生労働省》

社会保障審議会・医療保険部会は26日、社会保障の給付と負担の見直しの在り方を再び議論した。厚生労働省が、医療保険で金融資産などの保有状況を考慮した負担を被保険者に求める仕組みについて議論を促したが、委員からは慎重な意見が相次いだ。

・第127回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス) 資料

給付と負担の見直しを巡っては、「新経済・財政再生計画改革工程表2019」で、マイナンバーの導入などの金融資産の把握に向けた取り組みを踏まえながら、医療保険制度などでの負担への金融資産などの保有状況の反映の在り方を、関係の審議会などで検討するとした。

この日の部会で厚労省は、医療保険と介護保険での食事・居住に係る給付の違いを説明した。医療保険での病院などでの食事・居住サービスは、入院患者の病状に応じ、医学的管理の下に保障する必要があるため保険給付の対象とし、在宅でも掛かる費用は食費・居住費を自己負担としているとした。

一方、介護保険では、介護保険施設などでの食事・居住サービスは、在宅との公平性の観点から、保険給付の対象外(原則自己負担)としつつ、低所得者には補足給付を支給していると説明。また、後期高齢者世帯の貯蓄や負債額などのデータも示した。

議論では、横尾俊彦委員(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長、多久市長)が、「地道に貯蓄してきた後期高齢者の方にまで負担がいくと、年を取るほど希望が減るということになり、気持ちも経済もシュリンクしそうで気になる」と指摘。金融資産の保有状況を考慮した負担を求める仕組みは、慎重に議論すべきだとの考えを示した。

安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)も、「金融資産だけで本当にいいのか。公平性を担保するには、不動産も含めて実物資産をきちんと把握できる仕組みを作った上で適用するようにしないと難しい」と述べた。

このほか委員からは、「マイナンバーを使った預貯金口座への付番には限界があり、こうした方法で公平性・納得性が担保されるのか、慎重な対応が必要だ」(石上千博・連合副事務局長)といった意見も出た。

2人以上世帯の年代別貯蓄額、60歳以上は2,200万円以上

厚労省によると、後期高齢者世帯の平均貯蓄額は1,096万円で、貯蓄がない世帯と高額貯蓄の世帯の割合が高い。

また、2人以上の世帯における年齢階級別の貯蓄現在高は、60-69歳が2,327万円、70歳以上は2,249万円で、40歳未満の600万円と大きな差がある。負債現在高は、40歳未満が1,248万円で最も多く、年齢階級が高くなるにつれて少なくなり、70歳以上は104万円。

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