21年度介護報酬改定へ議論開始 社保審・介護給付費分科会

社会保障審議会 介護給付費分科会(第176回 3/16)《厚生労働省》

厚生労働省は16日、2021年度介護報酬改定に向けたスケジュールなどを社会保障審議会・介護給付費分科会に示した。この日を改定に向けたキックオフに位置付け、秋ごろまでを第1ラウンドとし、共通事項・個別事項をそれぞれ議論して事業者ヒアリングを行い、秋以降の第2ラウンドでは具体的な方向性を議論して、年末に取りまとめを行う見通しだ。

・第176回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料

厚労省は、21年度介護報酬改定の横断的なテーマの案として、▽地域包括ケアシステムの推進▽自立支援・重度化防止の推進▽介護人材の確保・介護現場の革新▽制度の安定性・持続可能性の確保-の4点を示した。

分科会が17年12月にまとめた「18年度介護報酬改定に関する審議報告」で、次期介護報酬改定までに検討を進めるとした「今後の課題」や、社保審・介護保険部会の「介護保険制度の見直しに関する意見」(19年12月取りまとめ)、「認知症施策推進大綱」(19年6月閣議決定)などを踏まえ、サービスの種類ごとの論点と併せて、これらの横断的なテーマについて議論する見通し。

例えば、改定に関する審議報告では、18年度改定で各種加算が設けられたが、利用者の分かりやすさの観点や、介護サービス事業者の事務負担軽減の観点から、報酬体系の簡素化について引き続き検討するなどの課題が挙がっていた。

キックオフに当たり、この日の分科会では多数の意見が出た。江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、「抜本的な仕組みの議論になるだろう」とし、40年を見据えて新たなステージに向かってどうスタートを切るかの議論が必要だと話した。大西秀人委員(全国市長会介護保険対策特別委員会委員長)は、加算・減算が追加されて複雑な報酬体系になったため、事業者や保険者にとって分かりにくく、事務負担の増加や誤りにもなるため、明快な報酬体系を要望した。井上隆委員(経団連常任理事)は、高齢者の増加と生産年齢人口の減少から人材と財源の制約があるため、「これまでの20年とは違う介護保険制度を考えなければならない」など、制度全体の見直しに関する意見が複数あった。また、重症化の予防や改善をアウトカム評価する仕組みの必要性についても、多数の意見が出た。

一方、診療報酬改定でタスクシフティングなど働き方改革の評価が新設されることから、介護報酬でも検討してほしいなどの要望や、新型コロナウイルスの感染拡大による中期的な人材面への影響を懸念する意見もあった。

大島局長、感染症対応で介護現場に謝意

この日、厚労省の大島一博老健局長は分科会の最後に、「コロナウイルスの感染の防止など介護現場では多大なご苦労をされている。よくぞ食い止めていただいている」などと謝意を示した。

コメント[13

コメントを見るには...

このページの先頭へ