ケアマネ協会・濱田副会長、ケアプラン有料化見送りに「全く安心してない」


《 日本介護支援専門員協会・濱田副会長 》

2021年度に控える次の介護保険制度改正の方向性が決まった。

ケアマネジャーにとっては非常に厳しい内容、とはならなかったと言えるだろう。居宅のケアマネジメントで新たに自己負担を徴収する案は見送られ、「ケアマネがその力を発揮できる環境の整備を図る」というコンセンサスも形成された。

また今後に向けて、「ケアマネの役割を明確化していくことも重要」との認識が共有されている。

こうした結果を日本介護支援専門員協会はどう捉えているのか? 審議会の委員として議論に参加した濱田和則副会長にインタビューした。【青木太志】

− ケアプラン有料化に反対してきた協会としては、なんとかうまく乗り切った、というところですか?

いえいえ。うまく乗り切ったなんて全く思っていません。例えば、政府は現在も「全世代型社会保障」への転換に向けた具体的な検討を進めており、今年の夏までに方針を示すとしています。こうした動きの中で、居宅介護支援費の自己負担の導入が改めて浮上する可能性もあるでしょう。いつ蒸し返されるか分からない状況と捉えており、我々は決して安心していません。

− 今回は協会の働きかけが効いた?

柴口会長をトップとする現体制になってから、行政府、あるいは立法府へ我々の考えを説明する機会を更に増やそうと努めてきました。今回の議論のプロセスでも、協会として“全員野球”で取り組んできたつもりです。それが十分に効いたかどうかは分かりません。ただ今後も、現場の皆さんの声を集約した我々の考えをできるだけお伝えする努力はしていきます。

「時代背景が大きく変化した」

− 地域で幅広いニーズに応えているケアマネの活躍が理解された結果でしょうか?

介護支援専門員が幅広いニーズに応えている実態がある、という認識は持ってもらえたのかなと感じています。我々も地域での仕事は非常に忙しく、求められる役割も以前とはだいぶ変わってきていると説明してきました。

− 変わってきている?

はい。時代背景が大きく変化しましたから、ある意味必然と言えるのかもしれません。

− と言いますと?

高齢化、長寿化が更に進み、1人暮らしの方も非常に多くなりました。認知症の方、MCIの方、IADLが低下している方なども増え、やはり地域の支援ニーズが増大、あるいは多様化したと感じています。経済的な背景も皆さん異なるでしょう。仮にご家族がいても、その予備力が必ずしも十分でないケースも少なくありません。

そうした中で、様々な困りごとの相談に介護支援専門員がまず応じるというケースが以前より増えました。国の研究事業でも、そうした変化が現実に生じているという報告がなされています。

− ケアマネの役割を明確化していく、という方向性が示された背景?

そうですね。現行制度では必ずしも十分に対応できない生活支援ニーズなどが拡大しており、介護支援専門員が関与してその一部をカバーしている実態があります。我々に期待される役割が更に広がっていることが背景の1つと言えるでしょう。

「2040年に向けて検討を」

− 本来は自治体の仕事では?

一昔前でしたら単に自治体、公が担うべき役割だ、という整理でよかったのかもしれません。ただ、先ほど言ったように社会は大きく変わりました。これだけニーズが増大しているなか、それぞれ違いはあれど自治体も十分な人手がありません。個々の高齢者の突発的なニーズに応えて支援に入ることまでは難しいでしょう。地域包括支援センターも仕事が多くなかなか余力がありません。

− いわゆる“地域の力”は?

もちろんそれも非常に大切でしょう。ただ本来、反復継続して行う必要のある取り組みを住民の方々やボランティアの方々に任せるのは、なかなか難しいですよね。

− 誰かが対応しないといけない。

それをいったい誰が担うのか、という答えがまだ見つかっていないのが現状だと認識しています。我々はこれまでの議論を通じ、担当の介護支援専門員がいる場合はその介護支援専門員が頼られるケースが増えている、と説明してきました。

− ケアマネの役割として明確化すべきか?

そういう考え方もあるのかもしれません。私個人としては慎重な議論が必要だと認識しています。今後、2040年を見据えた改革のプロセスの中でじっくりと、様々な角度から検討を深めていくべきテーマではないでしょうか。1つ言えることは、地域によって、自治体によって最適な答えが異なる可能性が高いということです。

− 最後に、現場で奮闘しているケアマネに呼びかけたいことは?

ぜひ協会に参加して頂きたい。そうすることで、介護支援専門員の声を今よりもっと大きく発信できるようになります。我々は皆さんの声を集約して提言などを行っていくので、ぜひ皆さんのご協力を頂ければと思っています。

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