「住生活基本計画」の高齢者向け住宅整備目標で議論 国交省懇談会

サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会(1/29)《国土交通省》

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などへの住み替えや住宅改修を通じて、早期に住環境を整えることで要介護状態になる時期を遅らせ、高齢者が主体的な生活を送る期間を延ばすことにつながる-。こうした期待から国土交通省では、改修や住み替えに関する情報発信を強化し、相談窓口を整備拡充する検討を進めている。このほど開催した「サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会」で、政府が定める「住生活基本計画」の5年に1度の見直しに向けて、高齢者向け住宅の整備目標に対する進捗や現状における課題認識を示した。

・サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会 第3回配布資料

懇談会で国交省の川野宇宏・安心居住推進課長が議論を促したのは、国が住宅政策の方向性について示す「住生活基本計画」(計画期間2016-25年)に位置付けられている、高齢者向け住宅(サ高住、シルバーハウジング、軽費老人ホーム、有料老人ホーム)の整備目標について。

計画では、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合を14年時点の2.1%から25年までに4%に引き上げることを定めている。高齢者が住んでいる住宅への手すりの設置や屋内の段差解消を行う「一定のバリアフリー化率」の目標数値は25年までに75%。

そこで、同省は、住宅のバリアフリー化の推進や高齢者向け住宅の供給に関する施策を進めてきたが、高齢者向け住宅への住み替えや改修は十分に進んでいない。

こうした状況の原因として安心居住推進課は、古い持ち家に住んでいる高齢者の改修や住み替えに関する相談をワンストップで受け止める窓口が少なく、ニーズも顕在化していないことを指摘。今後の対応の方向性として、▽相談の専門家の育成などを含めた相談窓口の整備拡充▽改修・住み替えに関わる初期費用や月々必要な費用、生活費を含めたトータルコストの比較情報の提供▽資産や家財の処分や活用などを含む住み替え時の住宅の流通促進支援▽サ高住とそれ以外の住宅の比較などによって適切な住み替え先の選択を可能にする情報発信-などを示した。

また、同省では、住生活基本計画の見直しが21年3月に予定されていることを踏まえ、高齢者の住宅整備目標についても見直しに向けた検討を進めている。そこで、同省は懇談会で、高齢者向け住宅の需給の見通しについて精緻化を進めていることも説明した。高齢者人口や要介護認定者の割合に加えて、高齢者の身体機能に応じた定住・住み替えの意向や現在の住まいの性能などを踏まえた新たな指標を導入し、需給に関する状況や政府目標を検証する。

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