下水道インフラで紙オムツ処分、介護施設から期待 国交省検討会

下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会(第2回 1/15)《国土交通省》

国土交通省は、既存の下水道インフラを活用して、紙オムツを廃棄処分する仕組みの実現を目指し、検討を進めている。介護者の負担軽減のほか、人口減に伴って利用者が減少する下水道経営の下支え効果を期待する。国交省がこのほど開催した2019年度2回目の検討会では、処理装置の導入が想定される介護施設などによる指摘や期待する内容が共有された。

・下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会

国交省は、18年度から年に2回のペースで「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」を開催している。下水道と住宅関連の領域に携わる女性エンジニアら(「下水道・LIFE・えんじん研究会」)による、下水道を通して紙オムツや生ごみなどを回収した後にそれらを下水処理場でエネルギー燃料や農作物の肥料に利用する仕組みを構築できないかとの提案を受けて検討を進めてきた。

検討会ではこれまでに、下水道によって紙オムツを処理する仕組みの社会実装に向けた検討事項を示すロードマップを策定した。ロードマップでは、技術面や制度面における実現可能性や課題を考慮して、開発を求める処理装置のタイプを分類している。すでに、一部の処理方式では先行して、紙オムツを処理する装置に求められる技術的な留意事項などを示す「考え方」を整理し、民間事業者に開発を促してきた。

実用化に最も近い段階にあるのは、紙オムツを処理機に投入すると排泄物が紙オムツから分離される「固形物分離タイプ」(ロードマップ上ではAタイプ)の処理装置。紙オムツは人の手によって回収する必要があるが、装置によって減量・消臭される分、廃棄や保管に関わる負担の軽減が期待される。し尿はそのまま下水に流される仕組み。国交省の担当者によると、20年度中には社会実験の実施を予定しているという。

19年度2回目の検討会では、看護小規模多機能型居宅介護施設や有料老人ホームの管理者など、紙オムツの分離装置の設置が想定される施設で実施したヒアリングの結果を共有した。臭気や廃棄物量の低減による職員の負担軽減に期待が寄せられたほか、作業負担の観点から機器のメンテナンスとパッケージでのリース契約が求められている。

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