75歳以上の一定所得以上に2割負担で議論 社保審・医療保険部会

社会保障審議会医療保険部会(第123回 12/25)《厚生労働省》

社会保障審議会・医療保険部会は25日、全世代型社会保障検討会議中間報告の報告を受け、後期高齢者医療の一定所得以上2割負担について議論した。支持する意見が大勢となったが、所得水準の在り方については、高齢者の生活実態を踏まえて慎重な検討を求める意見が複数の委員からあり、一方、支払側委員は原則2割負担とすべきとの立場から限定的にすべきでないとした。高齢者代表の委員は、負担増で受診できない人が増える可能性があると反対する姿勢を示した(参照)。

■第123回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス) 資料

一定所得以上を2割負担とする考え方に対しては、日本医師会副会長の松原謙二委員が、「今1割の人は医療費がいずれ2倍になる。政治問題にならないように慎重に議論すべき」だとした。

東海大健康学部長の堀真奈美委員は、「2割負担は新たに75歳以上になる人からと考えていたが、一律に一定所得以上の75歳以上については、国民に丁寧な説明が必要だ」とした。

一方、「一定所得の範囲をどうするかで、いかようにも変わる」とし、団塊世代が75歳以上になることへの対応があったことを忘れずに議論すべきだとした。狭く限定し過ぎることへの懸念として示した。

日商社会保障専門委員会委員の藤井隆太委員も、原則2割負担を求めていたが「一歩前進」と評価。その上で、「対象をどの程度に絞るかによって、制度の持続性を高める効果が限定的になる」とし、そうした面から制度設計すべきだとした。

他の支払側委員も、ほぼ支持する姿勢を示した。

この中で、全国老人クラブ連合会理事の兼子久委員は、「負担できる人たちの中での議論のような気がしてならない。保険料も払えない人がいる」と、高齢者としての立場から発言。

厚生労働省の資料から、被保険者の保険料負担率は、国保9.9%、後期高齢者8.3%、健康保険組合5.7%で、後期高齢者の多い国保と後期高齢者が高いとし、こうした状況の中で「窓口負担だけが応能負担の形で手が付けられるのは問題。医療保険を利用できない人が増えていくのではないか」と問題提起した。

東海大の堀委員も、「社会保険は、保険料が応能負担で、1割、2割、3割の患者負担は応益負担なので、そこに応能負担を交ぜない方が制度設計上は良い」との考えを示した。

「能力に応じた負担はその通りだが、窓口でやるのは複雑になり過ぎる」とし、高額療養費や低所得者への医療扶助も含めて整理する必要があると指摘した。

法政大経済学部教授の菅原琢磨委員は、「高齢者は平均収入が減っていくため、一定所得をどう考えるかが大事」とし、生活実態を調査して丁寧な議論が必要と、慎重に検討すべきとの姿勢を示した。

一方、全体の収入は減っても、支出項目も減っていくため「可処分所得が多少残っている人も相当にいる印象がある」とし、所得により負担を求めること自体は支持した。

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