高齢者への虐待、過去最多に 介護施設は2割増の621件 昨年度

厚生労働省は24日、高齢者に対する虐待について把握する調査の最新の結果を公表した。

昨年度の1年間に自治体が虐待と判断したケースは、介護施設・事業所の職員によるものが621件(21.8%増)、親族などの「養護者」によるものが1万7249件(1.0%増)。ともに過去最多を更新した。

厚労省の担当者は「要因は複合的」と分析。「自治体の取り組みの進展や虐待防止の意識の高まり、社会的な関心の高まりなども背景にある」とした。このほか、人材不足が深刻化している介護現場の窮状や支援が十分に行き届いていない地域の実態も深く関係しているとみられる。

加害者には男性が多い傾向

施設・事業所の職員による虐待をみると、相談・通報の件数はこれまでで最も多い2187件(15.2%増)。その施設・事業所の他の職員や親族などが相談・通報するケースが目立った。

加害者の54.1%は男性。介護職員全体に占める男性の比率(20.6%)を勘案すると、男性が虐待を起こす割合はかなり高いと言える。

複数回答で要因を聞くと、「教育・知識・介護技術などに関する問題」が58.0%で最多。以下、「職員のストレスや感情コントロールの問題」が24.6%、「倫理観や理念の欠如」が10.7%、「人員不足や人員配置の問題、および関連する多忙さ」が10.7%と続く。

養護者による虐待も、相談・通報の件数が3万2231件(7.3%増)で過去最多となっている。相談・通報を最も行っていたのは28.4%のケアマネジャー。警察も24.7%で、この2つで53.1%を占めていた。

息子(39.9%)や夫(21.6%)など、男性が加害者となるケースがやはり多い。虐待の要因を複数回答で尋ねた結果を多い順にみると、「介護疲れ・介護ストレス」が25.4%、「加害者の障害・疾病」が18.2%、「被害者と加害者の人間関係」が12.6%、「加害者の性格・人格」が9.5%となっている。

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