介護保険制度改正へ「論点ごとの議論の状況」 社保審部会で厚労省

社会保障審議会介護保険部会(第87回 12/5)《厚生労働省》

厚生労働省は5日の社会保障審議会・介護保険部会に、次期介護保険制度改正に向けた「論点ごとの議論の状況」を示した。これまでの議論について検討テーマごとに整理を行い、年末の取りまとめに向けたさらなる議論を求めた。

■第87回社会保障審議会介護保険部会

これまでの議論を通じて、▽ケアマネジメントに関する給付の在り方▽軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方▽「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準-などを、さらなる論点に挙げた。

ケアマネジメントに関する給付の在り方では、これまでの議論も踏まえつつ、▽医療との連携やインフォーマルサービス等の活用など、ケアマネジメントが担う役割の変化▽ケアマネジャーの処遇改善や事務負担の軽減等により、その力を十分に発揮できる環境を整備し、自立支援・重度化防止の実現に向けた質の高いケアマネジメントを実現していく観点-などについてどのように考えるか、厚労省は意見を求めた。

濱田和則委員は、ケアプランの作成において、介護保険サービス以外の多種多様な資源の活用へと変化していて、より高度なケアマネジメントが求められていることを指摘。ケアマネジャーの事務負担を軽減して、困難事例に注力できるように環境改善を図るとともに、全国統一の試験を受けていることからも事実上の国家資格相当としての処遇改善を求めた。

「現役並み所得」「一定以上所得」については、介護保険の利用者負担は原則1割だったが、一定以上所得がある場合について2015年8月から2割負担、18年8月から3割負担の水準が設けられた。この原則1割負担を2割に引き上げるなどの判断などについても意見を求めた。

委員からは、▽非効率・無駄なサービスの見直しなど、できる工夫はまだある。今の時点で2割は反対(東憲太郎・全国老人保健施設協会会長)▽保険料の応能負担についてはもっと議論が必要(兼子久・全国老人クラブ連合会理事)▽前回改正で所得に応じた3割負担を導入したばかり。介護は長く続くので、生活への影響がどうかを踏まえた上で慎重な対応を(山際淳・民間介護事業推進委員会代表委員)-などの意見があった。

また、江澤和彦委員は、応能負担は進めるべきだが、負担を増やしても財源不足の抜本的解決にはならないと指摘。今後の介護需要のピークを「保険料でどこまで支えられるのか。公費投入の余地はあるのか」など、財源のアイデアについて、しかるべき場所での議論は喫緊の課題だとした。

これまでの議論についても、介護人材の不足に絡み、介護福祉士の養成施設の受験者が定員の半数にも満たない状況にあり、「介護現場は職業として若い人から見放されている。就職に向けた学校の選択肢として選ばれていないことは深刻な問題」とする意見や、健保組合の19年度の一人当たり介護保険料が初めて10万円を超えたことから「保険料負担の軽減につながる取り組みを進めてほしい」などの意見もあった。

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