要介護1・2の地域支援事業への移行、意見に隔たり 社保審部会

社会保障審議会介護保険部会(第86回 11/27)《厚生労働省》

厚生労働省は27日の社会保障審議会・介護保険部会に、「制度の持続可能性の確保」について、さらなる議論を求めた。介護保険料の伸びの抑制に向けて、ケアプラン作成の利用者負担を求めるなど、給付と負担が論点。要介護1・2の地域支援事業(総合事業)への移行については、「受け皿の整備が必要」など慎重な対応を求める意見と、制度の持続可能性のためには「痛みを伴うことは承知の上」で改革を進める必要があるとの意見があるなど、議論の溝は埋まらなかった。

■第86回社会保障審議会介護保険部会

厚労省は、年末の取りまとめに向けてさらに検討が必要な課題として、▽補足給付に関する給付の在り方▽多床室の室料負担▽ケアマネジメントに関する給付の在り方▽軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方▽高額介護サービス費▽「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準-の6つを示した。

これまでの議論では、ケアマネジメントに関する給付の在り方として、利用者本位の質の高いケアプラン作成の観点からも、利用者負担を前向きに検討すべきとする意見や、入り口での利用控えが危惧され拙速な導入には反対などの意見があった。また、軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方では、要支援1・2と同様に、要介護1・2の生活援助サービスの総合事業への移行を求める意見がある一方で、自治体のノウハウがないなど体制が整っていないとする意見や、要介護1・2は「軽度者なのか」と疑問を呈する意見もあり、議論は二極化している。

27日の部会では委員から、▽持続可能な制度への改革は「待ったなしの状態」で、6つの項目は全て重要であり、これまでの議論で上がった意見からも、利用者の原則2割負担の方向性も示すべき(岡良廣・日本商工会議所社会保障専門委員会委員)▽この部会で12月に取りまとめを行い、必要な項目については来年の国会に法案を提出するスケジュールとして始まった以上、「年末までに国としての方向性を得るべき使命がある」。経済困窮者への配慮はしつつも、挙がった項目は「痛みを伴うことは承知の上」で改革を(井上隆・経団連常任理事)-など、負担能力に応じた改革を求める意見があった。

一方で、藤原忠彦委員(全国町村会顧問・長野県川上村長)は、軽度者への生活援助サービスの給付の在り方について、取り組みに地域差があり、多くの町村で総合事業のサービスは十分ではない現状を訴えた上で、総合事業へ移行しても必要なサービスを受けられない状態になることから、「移行は時期尚早」だとした。鈴木隆雄委員(桜美林大大学院自然科学系老年学研究科教授)は、要介護1・2は認知症を抱えているので、身体障害などを抱える要支援1・2とは異なるとして、認知症への市町村対応はまだまだ試行錯誤の段階であり、「やれと言われてやれる問題ではない。きちんと整備が必要」と述べた。

厚労省は会合後の記者説明会で、一通りの議論をしたとして、12月の取りまとめに向けて事実に即して論点整理を進めていくとした。

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