認知症ケア加算の人員配置基準見直しを論点に 厚労省

中央社会保険医療協議会 総会(第434回 11/20)《厚生労働省》

厚生労働省は20日の中央社会保険医療協議会・総会で、認知症ケア加算1の算定に必要な「専任の常勤医師」の施設基準を2020年度の診療報酬改定で緩和することや、同加算2の施設基準に「専門性の高い看護師の配置」を追加することなどを論点に挙げた。認知症ケアに関する医療現場の実情を踏まえた対応案で、これに対する異論はなかったが、その評価体系の在り方の検討を求める意見が、診療側から出た。

■中央社会保険医療協議会 総会(第434回) 議事次第

認知症ケア加算は、身体疾患のために入院した患者の認知症症状の悪化を防ぎ、治療を円滑に受けられるようにするための評価。同加算1を算定するには、「認知症患者の診療に十分な経験を有する専任の常勤医師」などで構成する認知症ケアチームを設置する必要がある。その「専任の常勤医師」とは、精神科または神経内科を5年以上経験した医師か、認知症治療に関する研修修了者のいずれか。

中医協の「入院医療等の調査・評価分科会」が実施した19年度の入院医療などに関する調査で、同加算1を届け出ていない理由について、いずれの入院基本料でも、「認知症ケアチームの要件である精神科または神経内科の経験を5年以上有する専任の常勤医師を確保できないため」が最も多いことが分かっている。また、同加算1を届け出ていない急性期一般入院料1の算定医療機関のうち、同加算2を届け出ている医療機関の方が、同加算1・2とも届け出ていない医療機関よりも、医師に関する施設基準を未届けの理由に挙げた割合が高かった。

同加算2に関しては、急性期一般入院料1の医療機関や特定機能病院の3割以上で認知症に関する専門性の高い看護師が配置されていたほか、こうした医療機関では配置していない医療機関と比べて、身体的拘束を行った患者やその実施日数の割合が低いことも明らかになっている。

20日の総会で厚労省は、こうした調査結果を提示するとともに、同加算1・2の人員配置基準の見直しなどを提案した。

議論では、厚労省が示した見直しの方向性に、委員から反対意見は出なかった。専門委員の吉川久美子・日本看護協会常任理事は、同加算2の医療機関のうち、専門性の高い看護師を配置している医療機関では身体拘束を実施した患者や実施日数の割合が低いという調査結果に触れ、「認知症に関する専門性の高い看護師の配置に対する評価をお願いしたい」と要望。支払側も「特に異論はない」とした。

一方で、松本吉郎・日本医師会常任理事は、同加算1の施設基準が厳しくて算定数が増えないのに対し、同加算2に関しては、一定数の医療機関で要件化されていない専門性の高い看護師の配置がなされていると指摘。「現行の評価は少し大ざっぱであり、加算1と加算2の間になるような取り組みが評価されていないので、現場の実情に合った評価体系に再編してはどうか」と、評価体系の見直しを検討することを提案した。

コメント[7

コメントを見るには...

このページの先頭へ