介護報酬の地域区分、一部見直しを検討 社保審・介護給付費分科会

社会保障審議会介護給付費分科会(第172回 11/15)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会は15日、2021年度介護報酬改定で設定する級地(地域区分)の扱いについて審議を開始した。厚生労働省は、物価や人件費の地域格差を介護報酬に反映するために市町村ごとに設定されている1単位ごとの単価を決める区分について、隣接地域と差がある市町村の扱いを一部見直す方針を示した。

第172回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料

介護報酬には、従業員の賃金の地域差を反映するために「単位」制が採用されており、この単位当たりの単価は人件費割合が高いサービスや、都市部で高く設定されている。各市町村に適用される地域区分は、原則として公務員の地域手当の設定に準拠しているが、一部の地域についてはこれまでにも隣接する地域の状況に応じて段階的に特例が設けられてきた。

厚労省は論点として、21年度介護報酬改定でも現行の級地を適用することを「基本とし対応する」考えを示した。また、公平性を欠く状況を是正するための特例として、(1)その自治体が属する地域区分よりも高い(低い)地域に囲まれている場合、(2)その自治体が属する地域区分よりも高い(低い)級地が設定された地域に複数隣接しており、かつ、その地域の中にその自治体と4級地以上の級地差がある地域が含まれている場合(引き上げについては公務員の地域手当の級地設定がある場合を除く)-のいずれかに該当する自治体を対象として、隣接地域の状況によって引き上げや引き下げを認めることを提案した。21年度の改定で特例の適用が見込まれる地域は(1)が44自治体、(2)が7自治体。なお、(1)の考え方は18年度改定時にも適用されている。

河村文夫委員(全国町村会政務調査会行政委員会委員、東京都奥多摩町長)は、厚労省の提案に対して書面で、「対象となる自治体が限定的であり、近隣地域とのアンバランスを解消するには十分なものになっていない」と指摘。級地の設定について、特に中山間地域では近隣地域と比べて低い自治体への「事業者参入や介護人材確保が困難」になっているとの危惧から、市町村域を超えてより広範囲での地域区分の設定も含めた見直しを検討するよう求めた。一方、江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、厚労省が示した案に賛意を示し、「大幅な見直しというよりは微調整をしていただければ」と述べた。

こうした意見を踏まえて、同分科会では年内に地域区分について一定の考え方を示し、それを基に厚労省が自治体の意向調査を始める方針。

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