医療療養病床から介護医療院への移行などで議論 社保審部会

社会保障審議会介護保険部会(第85回 11/14)《厚生労働省》

厚生労働省は14日、社会保障審議会・介護保険部会で、医療と介護の連携についてさらなる議論を求めた。在宅医療・介護連携推進事業や、医療療養病床から介護医療院への移行などにより市町村の負担が増えていることに鑑み、都道府県や国の支援が必要などの意見があった。

■第85回社会保障審議会介護保険部会

部会では、次期介護保険法改正に向けた議論が進んでいて、市町村の在宅医療・介護連携推進事業への取り組みが課題の一つに挙がっている。2018年度から、全ての市町村で在宅医療・介護連携推進事業への取り組みが始まり、8つの項目でPDCAサイクルにより評価が求められているが、事業評価のしにくさや、市町村のノウハウの不足などが課題となっている。

市町村の役割が多方面から求められていることを受けて、▽切れ目ない在宅医療・介護の実現の目標設定や地域の目指す姿を住民や医療・介護関係者で共有▽認知症等への対応を強化▽事業項目全ての実施を求めるのではなく選択的実施や地域独自の項目の実施を可能とする-など、地域の実情に応じて事業の見直しを行うとともに、PDCAサイクルに沿った事業実施ができるよう事業体系を明確化することを、厚労省は論点に挙げた。

併せて、市町村において事業を行うに当たり、健康づくり部門など他の部門との庁内連携に加え、企画立案段階から地域の医療や介護の関係機関と連携を図り、進めることが重要であるなどの課題を挙げた。

また、市町村から都道府県への期待に応えるため、▽都道府県医師会など県単位で構成されている医療・福祉の関係機関との調整▽研修会等を通じた情報発信・人材育成の推進▽地域の実情を把握する保健所等による、保健所管内の広域的な調整を含めた市町村支援-などの取り組みを後押しするための検討が必要だと指摘。都道府県においては、医療計画に基づく取り組みとの整合性に留意することも必要だとした。

国においても、自治体の取り組みを支援するため、PDCAサイクルで活用可能な指標の検討を進めるとともに、地域包括ケア「見える化」システムなどを活用できる環境整備を進めたいとした。

これらに対し、齋藤訓子委員(日本看護協会副会長)は、在宅医療・介護連携推進事業を行うことが目的になってしまい、選択的実施とすることで本来の理念が損なわれないかとの懸念を示した。

介護保険財政への影響を懸念

厚労省はこの日、医療と介護の連携の一つとして、介護医療院への移行についても議論を求めた。18年に創設した介護医療院は、医療機能を持った住まいとして誕生した新たな施設で、介護保険からサービスが提供される。

介護療養型医療施設が経過措置期限の23年で廃止されて、21年からの第8期介護保険事業計画期間中に介護医療院などへ移行する必要がある。介護療養型医療施設のうち、医療療養病床等が介護医療院へ移行する場合、医療から介護へと保険が変わることになる。介護保険事業計画で見込んでいなかった転換の場合、小規模な自治体への負担は大きい。介護保険財政への影響を懸念して、医療療養病床から介護医療院への移行が進まないとの指摘もある。社会保障費トータルからの視点も踏まえつつ、国から財源等の支援が必要ではないかなどの課題を挙げた。

大西秀人委員(全国市長会介護保険対策特別委員会委員長・香川県高松市長)は、第7期介護保険事業(支援)計画において必要入所定員総数を定めるに当たり、医療療養病床等からの増加分は含まないとされている点に触れ、保険者にとっては見込みが立たず、与える影響は非常に大きいため、第8期では都道府県による医療計画との整合性が必要などとした。

江澤和彦委員(日本医師会常任理事)も、介護医療院への移行について財政支援を求めた。

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