社保審・介護給付費分科会 ケアマネ事業所の管理者要件の厳格化、経過措置を6年間延長へ 厚労省方針


《 社保審・介護給付費分科会 15日 》

事業所の管理者を主任ケアマネジャーに限定する居宅介護支援の運営基準の厳格化をめぐり、厚生労働省は15日、来年度までとしていた既定の経過措置(2018年度から2020年度)を延長する方針を固めた。

社会保障審議会・介護給付費分科会で提案し、委員から大筋で了承を得た。具体策は年内にも正式に決定する。

第172回社会保障審議会介護給付費分科会資料

経過措置の延長は、2021年3月31日の時点で主任ケアマネ以外が管理者を担っている事業所のみが対象。その管理者が管理者を担い続けていく場合に限り、2026年度まで6年間にわたって厳格化が猶予される。

厚労省が提案した具体策の文言は以下の通り。特に目立った異論は出ておらず、このまま採用される方向となった。

■厚労省提案資料抜粋
「令和3年3月31日時点で主任ケアマネジャーでない者が管理者の事業所は、当該管理者が管理者である限り、管理者が主任ケアマネジャーとする要件の適用を令和9年3月31日まで猶予することとしてはどうか。結果として、令和3年4月1日以降に新たに管理者となる者は、いずれの事業所であっても主任ケアマネジャーであることが求められることとなる」

老健局の担当者は延長を6年間としたことについて、「2020年度から新たに管理者となった人でも、5年間の実務経験を積んで主任ケアマネ研修を受けられる期間を確保するため」と説明した。

厚労省は今回、どうしてもやむを得ない理由で主任ケアマネを配置できない事業所への救済措置を用意する意向も示した。その理由と「改善計画書」を届け出ることを条件として、1年間だけ厳格化を猶予する決まりを新たに設けてはどうかという。

厚労省が提案した具体策の文言は以下の通り。「猶予期間が1年間では短い」との不満の声が出たため、ここは修正される可能性が残った。

■厚労省提案資料抜粋
「令和3年4月1日以降、不測の事態により、主任ケアマネジャーを管理者とできなくなってしまった事業所については、当該事業所がその理由と「改善計画書(仮称)」を保険者に届け出た場合は、管理者が主任ケアマネジャーとする要件の適用を1年間猶予することとしてはどうか」

上記の「不測の事態」の解釈について、厚労省は主任ケアマネが急に辞めてしまった場合などを想定している。老健局の担当者は、来年以降に通知やQ&Aなどでできるだけ明確にしたいと話した。

厚労省はこのほか、「特別地域居宅介護支援加算」、あるいは「中山間地域等における小規模事業所加算」を取得している事業所に限り、主任ケアマネではない管理者を特に期限なく認めていく案も示した。

主任ケアマネ配置、現状約6割

既定の経過措置の見直しは、主任ケアマネの養成・確保をうまく進められていない事業所が少なくない現状を踏まえたもの。もともとは質の高いケアマネジメントの展開につなげる狙いだったが、現場の関係者からは「このままだと混乱が生じてしまう」といった懸念の声が出ていた。

厚労省はこの日、全国すべての居宅介護支援事業所を対象として今年度に実施した調査の結果を公表。今年7月末の時点で「管理者が主任ケアマネではない」と答えたところは40.9%だった。

この40.9%に「来年度までに主任ケアマネを確保できるか」と尋ねたところ、「見込みがない」が32.6%、「分からない」が18.9%。これらの事業所が全体に占める割合は21.1%にのぼっていた。

これまで繰り返し経過措置の延長を求めてきた日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は会合で、「色々とご配慮を頂きありがたい。協会としても今後、主任ケアマネが増えるように引き続き努力していきたい」と述べた。

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