オンライン診療料、一部の難病で要件緩和へ 中医協・総会

中央社会保険医療協議会 総会(第431回 11/8)《厚生労働省》

厚生労働省は8日の中央社会保険医療協議会・総会で、医療分野でのICTの利活用を促す取り組みなどについて議論し、情報通信機器を使って一部の指定難病などの診療を行った場合に算定できるオンライン診療料の要件を緩和することを提案し、大筋で了承された。診療側は、難病に対するオンライン診療料の要件緩和を求めたが、支払側が要件の緩和は一部の難病に限定すべきだと主張した。

中央社会保険医療協議会 総会(第431回) 議事次第

2018年度の診療報酬改定では、対面診療を原則とした上で、医師が情報通信機器を活用して診療を行った場合に評価するオンライン診療料が新設された。

この日の総会で厚労省が明らかにしたオンライン診療などの実施状況などによると、同省の調査で24.3%の病院、16.1%の診療所が実施していると回答した。また、オンライン診療の適用対象となり得るが、それを実施していない患者がいる病院の割合は29.7%で、診療所は28.7%。適用対象となり得る患者にオンライン診療を実施しない理由では、病院・診療所とも「患者の希望がないため」が最多で、満たせない要件で最も多かったのは、「緊急時におおむね30分以内に対面診療が可能であること」だった。

個別の疾患領域では、生活習慣病の患者は初診時に自覚症状がなく、健診で医師に指摘されてから受診する場合が多いほか、自覚症状があっても受診までに時間を要するケースや定期通院の必要性を感じない患者も存在する。

また、一部の指定難病の患者の遠隔医療に関する調査では、「病院に行く手間が省けるから」との理由で遠隔医療を受けたいと考える患者が7割超いた。

こうした状況を踏まえて厚労省は、生活習慣病や難病領域に対してオンライン診療を行う場合の算定要件や、医療資源の少ない地域とそれ以外の地域での現行の要件や施設基準の見直しを論点に示した。また、現在は対象外の疾患領域でのオンライン診療の利活用について、関係学会から示されたエビデンスを踏まえて引き続き検討することを提案した。

大胆な要件緩和に慎重論も

意見交換では、松本吉郎委員(日本医師会常任理事)が、オンライン診療は患者が医療にどうしてもアクセスできない場合に活用されるべきであり、利便性のみに着目して拡大を推進することには慎重であるべきだと改めて強調した。その上で、「まずは離島・へき地など医師や医療機関が少ない地域での対応を検討すべきだ」と指摘。ただ、難病領域に関しては、患者が対面診療を受けたくても通院が困難な場合があるとし、「例えば難病拠点病院での(オンライン診療の)実施については現行の要件を緩和することなどを検討してもいいのではないか」と提案した。今村聡委員(同副会長)も、難病領域で適切な医療が提供できない環境であれば、オンラインを活用できるようにする必要があると述べた。

一方、連合の「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の間宮清委員は、「全ての難病を対象に要件を緩和することには疑問がある」とし、要件を見直す場合は一部の難病に限定するよう求めた。

このほか、オンライン診療のエビデンスを蓄積するため、積極的に要件を緩和すべきだという意見が支払側委員から出たのに対し、診療側委員は「拙速に要件を緩和すべきではない」「大きな要件の緩和は拙速だ」などと慎重な姿勢を示した。

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