社保審・介護保険部会 高額介護サービス費、上限額の引き上げを検討 高所得層が対象 厚労省


《 社保審・介護保険部会 28日 》

厚生労働省は介護サービスの自己負担に上限額を設ける「高額介護サービス費」の見直しを検討していく方針だ。

現役並みの所得がある利用者のうち、年収770万円以上など相対的に余裕がある層の上限額の引き上げを俎上に載せている。右肩上がりの給付費や保険料の抑制につなげたい考えだ。

28日、2021年度の制度改正をめぐる協議を重ねている審議会の会合で論点として示した。年内に具体策を決める予定。反対意見にも配慮して慎重に調整を進めていく構えだ。

■第69回社会保障審議会介護保険部会資料

現行の上限額は3段階

介護保険の「高額介護サービス費」は、利用者のひと月の自己負担があらかじめ設定してある上限額を上回った際に、その超過分を払い戻して救済する仕組み。

現行の上限額は3段階で、生活保護を受けている人などが1万5000円、住民税を課税されていない世帯などが2万4600円、それ以外が4万4400円となっている。

前回の見直しは2017年8月。所得区分の「一般」が以下の様に変わり、新たに44万6400円の年間上限額(*)も3年間の時限措置として導入された。


《 厚労省の資料を基に作成 》
*年間上限額
所得区分「一般」で自己負担が1割の世帯が対象。年間トータルの負担が過大にならないよう、それまでのひと月上限額(3万7200円)の12ヵ月分にあたる44万6400円に設定されている。

今回、厚労省が検討しているのは最上位区分の「現役並み所得」の細分化だ。現行は年収約383万円以上などの利用者をひと括りに扱っている。

だが医療保険は違う。同様の仕組み「高額療養費」の上限額をみると、年収約770万円から約1160万円が9万3000円、約1160万円以上が14万100円ときめ細かく定められている。「高額介護サービス費」はこれまで、先行する医療保険のデザインを踏襲して所得区分や上限額などを設計してきた経緯があり、今回もそうするか否かが検討されていく。

厚労省はこのほか、年間上限額の時限措置を当初の予定通り終えるかどうかも論点として掲げた。

28日の部会では、「上限額を引き上げる影響を注意深く分析する必要がある」「制度の後退につながる」といった慎重論も噴出した。

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