介護保険の対象年齢、65歳の区切りで議論 社保審・介護保険部会

社会保障審議会介護保険部会(第83回 10/9)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護保険部会は9日、次期介護保険制度改正に向けて、介護保険の被保険者と受給者の範囲について年齢の見直しを議論した(参照)。委員からは、財源を支える人口が減少する中、介護のみならず年金・医療を含めた見直しが必要だとする一方で、現役世代の負担増に反対する意見が多かった。

■第83回社会保障審議会介護保険部会

介護保険制度の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と40歳以上・64歳以下の第2号被保険者に分かれている。受給要件も、第1号被保険者は要支援・要介護状態と認定されればその原因を問わないが、第2号被保険者は加齢に起因する16の特定疾病に限定されている(参照)。

制度創設以来、要介護状態となった理由や年齢にかかわらず全ての人にサービスの給付を行い、保険料の負担層を拡大する「介護保険制度の普遍化」を目指すか、「高齢者の介護保険」を維持するかで議論が続いている。厚生労働省は9日の会合で、この論点に加えて、第1号被保険者と第2号被保険者の対象年齢についても議論を求めた(参照)。

介護保険を取り巻く状況として、介護費用の総額が制度創設時から約3倍に膨れ上がり、保険料も倍増したが、さらなる上昇が見込まれるため、制度の持続可能性のために被保険者範囲の見直しについて検討が必要と厚労省は説明した(参照)。

しかし、第1子出産年齢が1960年の25.4歳から2017年の32.0歳へと高齢化しているため、第2号被保険者の対象年齢の下限を引き下げる場合、子育て世代の負担増になるなど、受益と負担の関係性が希薄だ。このため、60歳代後半世代の就労率上昇や要介護度が低いことなどを勘案し、第2号被保険者の対象年齢の上限を引き上げることを論点に据えた(参照)。

委員からは、65歳以上の就労率増加と生産年齢人口の減少という年齢構成の変化から、負担のアンバランスをいかに調整していくかが重要だとする意見が出た。また、現役世代への負担増には反対する意見が多数で、むしろ社会保障費の軽減が必要だとの意見や、65歳以上への第2号被保険者拡大を議論する前に、給付の効率化や自己負担の在り方について適切に見直す必要があるなど慎重な意見が多く、今後さらに議論を深める方針だ。

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