自治体病院の再編で厚労・総務省、地方三団体が協議の場

地域医療確保に関する国と地方の協議の場(10/4)《総務省》

今回のポイント
●自治体や日赤などが運営する424病院の地域での役割を、「再編統合」を含めて見直す必要があるとする分析結果を厚生労働省が公表したのを受けて、同省と総務省、地方三団体による「協議の場」が4日、開かれた。
○厚労省は9月26日、診療実績の分析結果を踏まえて424病院を実名で公表したが、これによって看護師が入職をためらうケースが出るなど地域で混乱が起きているという。
○厚労省は、地域への説明を月内にも始める方針だ。

■地域医療確保に関する国と地方の協議の場

自治体や日赤などが運営する424病院の地域での役割を、「再編統合」を含めて見直す必要があるとする分析結果を厚生労働省が公表したのを受けて、同省と総務省、地方三団体による「協議の場」が4日、開かれた(参照)。厚労省は9月26日、診療実績の分析結果を踏まえて424病院を実名で公表したが、これによって看護師が入職をためらうケースが出るなど地域で混乱が起きているという。厚労省は、地域への説明を月内にも始める方針だ。

少子化の影響で医療従事者の確保が難しくなっても必要な医療を地域ごとに提供できる体制を整備するため、政府は、地域医療構想の実現と医師の偏在解消、働き方改革の推進を三位一体で進める方針を示している。協議の場では、それに対する国と地方の認識の共有を目指す(参照)。

地方からは、全国知事会の平井伸治・社会保障常任委員長(鳥取県知事)、全国市長会の立谷秀清会長(福島県相馬市長)、全国町村会の椎木巧副会長(山口県周防大島町長)が4日の初会合に出席した(参照)。

平井委員長は冒頭、「地域の住民は大変不安がっている。看護師が就職しようと思ったが、『この病院はやめよう』と言い始めている」などと、病院名の公表後に地域医療が混乱していることを明らかにした。平井委員長はその上で、説明責任を果たすよう厚労省側に求めた。また、自治体立や公的病院だけでなく、民間病院の診療実績の公表も求めた。

厚労省、各地に出向いて説明へ

一方、国側から参加した橋本岳厚労副大臣はあいさつで、「地域における議論の活性化を目的として急性期機能を中心とするデータの分析結果を示したが、さまざまな方面から意見を頂いている」と説明した上で、「厚生労働省として今後、できるだけ全国各地域に出向き、思いをお伝えするとともに、話も伺って丁寧に議論を進めていきたい」などと述べた。

地域での役割の見直しを求めたのは、「がん」「心血管疾患」「脳卒中」「救急」「小児」「周産期」「災害」「へき地」「研修・派遣」の9領域全てで地域シェアが小さい病院か、「災害」「へき地」「研修・派遣」を除く6領域のシェアが、「自動車で20分以内」の場所にあるほかの病院と同程度で競合している自治体立や公的の計424病院。うち自治体立は257病院だった。

厚労省は、2025年までにカバーする医療機能などを盛り込んだこれらの病院の「具体的対応方針」の見直しを地域で話し合うよう都道府県に要請する方針。再編統合を伴う場合は20年9月末までに、伴わないなら3月末までに地域内で話し合うよう求めることにしていたが、地域医療の関係者への説明を先行させることにした。見直しの要請時期は分からないため、期限内に見直しを決められるか疑問視する声も地方側から上がった。

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