介護予防の事業評価指標に「幸福感」など提案 厚労省

一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会(第6回 10/3)《厚生労働省》

厚生労働省は3日の「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」で、自治体による介護予防に関する事業の成果について、評価のイメージ案を示した。単独の事業や短期的な効果が分かりにくい介護予防に関する取り組みの効果を測るために、対象者を「高齢者全体」「一般介護予防事業『未利用者』」「一般介護予防事業『利用者』」に分け、「住民の幸福感の向上」や「通いの場をはじめとする社会参加の拡大」の度合いを指標とするもの。

■第6回一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会(ペーパーレス)資料

同検討会では、一般介護予防事業を含めた総合事業全体の評価・改善を目的とする「一般介護予防事業評価事業」の在り方を一つの論点とした。

PDCAサイクルに沿った取り組みを進めるためのプロセス指標やアウトカム指標を示し、年度ごとの事業評価に取り組む市町村の増加を目指す。

同検討会では、個々の事業の成果に加えて、介護予防に関する事業全体を評価する観点から、高齢者全体の成果についても指標を設定することを厚労省が提案した。指標案としては、市町村の介護保険事業計画策定の際に実態把握のために行う「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」から「住民の幸福感の変化率」を測ること、都道府県・市町村ごとの「要介護2以上の年齢調整後認定率、その変化率」を提示した。

このほか成果に関する評価項目としては、一般介護予防事業の利用者と未利用者双方を対象とした「通いの場をはじめとする社会参加の拡大」、同事業の利用者を対象とした「通いの場に参加する高齢者の状態の変化」を示した。

安藤伸樹構成員(全国健康保険協会理事長)は、「幸福感」を事業評価の指標として設定することについて、住民の生活環境などにも左右されることなどから「客観的に評価する指標にはそぐわない」とした。近藤尚己構成員(東京大大学院医学系研究科健康教育・社会学分野准教授)はこれに対して、「幸福感が低い人ほど死亡率が高く、認知症になりやすい」という追跡データがあることを指摘した。また、ニーズ調査の結果を活用するために個人が識別できるような形で行うよう対応を求めた。

同検討会は、今回の厚労省の提案内容や構成員から出た意見を議論の経過として、9日の社会保障審議会の介護保険部会に報告する。

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