後期高齢者2割など、給付と負担で議論 社保審・医療保険部会

社会保障審議会 医療保険部会(第119回 9/27)《厚生労働省》

社会保障審議会・医療保険部会は27日、医療保険制度をめぐる状況について議論した。厚生労働省は、特に後期高齢者の増加に伴い医療保険の実効給付率が上昇を続けていることなど高齢者に関する状況を説明、その中で政府は「骨太方針2020」で「給付と負担の在り方」をまとめる方針で、全世代型社会保障検討会議での議論も開始されているとした(参照)。議論では、経済団体や保険者側から、後期高齢者医療の窓口負担引き上げ、外来受診時定額負担や薬剤費自己負担の導入などを求める意見が相次いだ。

■第119回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス) 資料

医療保険制度では、患者負担については、現役世代3割、70-74歳は2割、75歳以上は1割が原則となっている。医療保険制度による給付率としては、7割、8割、9割となる。

しかし、高額療養費制度もあって、全国民を平均した「実効給付率」は、2017年度で84.98%となっている。この実効給付率は、現役世代の負担率が2割から3割に引き上げられた1993年度には82.79%だったが、その後は高齢者数の増加により徐々に上昇し、17年度で84.98%となった(参照)。

現状のままで行けば、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる22年度以降は、この実効給付率はさらに上昇、後期高齢者の医療費も増大し、現役世代が拠出している後期高齢者支援金も増大することになり、健康保険組合や協会けんぽなどの財政を圧迫、国庫負担も増大していくことになる。

こうした状況を踏まえ、政府は20年6月ごろにまとめる骨太方針2020で、「給付と負担の在り方」を含めた対応策をまとめることとし、また、全世代型社会保障制度への転換も進めることとし、全世代型社会保障検討会議を設置して議論を行い、その結果を骨太方針2020に反映させることとしている。

状況説明を受けての議論では、日本商工会議所、健康保険組合連合会、全国健康保険協会の委員が、後期高齢者の窓口負担の2割への引き上げ、外来受診時定額負担の導入、薬剤費自己負担の導入の実現を強く求めた。

後期高齢者の窓口負担については、東海大健康学部長の堀真奈美委員も、「(74歳までと)同じ2割のまま維持して、現役世代と共に社会保障制度を支えていただくと表現することで納得性が高まるだろう」と発言し、引き上げを支持した。

一方、後期高齢者の窓口負担引き上げに対して、日本歯科医師会の委員は、「歯科や軽度医療では、窓口負担によって受診率が低下する」とし、「国民の健康に不利益となることのないよう慎重に検討すべき」とした。

医療保険部会では、全世代型社会保障検討会議や経済財政諮問会議での検討の状況も見ながら、今後の議論を進めていくことになる。

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