地域包括支援センターの規模拡大へ。介護予防事業が求める役割とは

9月4日に開催された「第5回一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」では、専門職の関与や高齢者の参加促進について、地域包括支援センターの役割を期待する声があがった。国をあげて介護予防に取り組む方針が示される中、地域の介護予防支援の要である、地域包括支援センターの業務は増加傾向にある。業務負担の問題から人員配置の課題についても意見があがった。

イギリスの「社会的処方」を参考に

予防医学の専門家である近藤委員から、イギリスに普及しつつある「社会的処方」について共有があった。社会的処方とは、利用者を地域の交流会やウォーキングクラブといった地域活動・サービスにつなげることを指す。「社会的処方を受けた患者の80%が、救急外来、外来診察、入院の使用を減らした」という実績が確認されていて、かかりつけ医が医学的処方に加え、社会的処方を行う事例が増えている。そこには、地域の事情や地域資源を把握した「リンクワーカー」や「ケアナビゲーター」という職種の人材が不可欠とされている。

一般介護予防事業において重要な論点となっている、専門職の関与や高齢者の参加率向上には、イギリスの事例を参考に、利用者・地域・専門職の間をつなぐ、リンクワーカーやケアナビゲーターのような役割を機能させることが必要では、という意見が示された。しかし、この役割を担うことが期待される地域包括支援センターでは、求められる業務量に対して人員が不足しているという現状も共有された。

地域包括支援センターの規模拡大へ

地域包括支援センターの人員基準は、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(準ずるものも含む)を最低限各1人とされている。しかし、3職種を1人ずつでは不十分で、介護予防支援を実施するための職員(介護支援専門員、保健師など)を「必要な数」配置する、としている。

今後、一般介護予防事業などの介護予防支援が強化される中で、イギリスの社会的処方で活躍するリンクワーカーやケアナビゲーターのような人材が必要となれば、地域包括支援センターの人員は増え、規模が拡大すると予想される。現場にどのような影響があるのか、議論の動向をチェックしておきたい。

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