ケアプランの有料化、反対意見多数

8月29日に開催された「第80回社会保障審議会介護保険部会」では、長年議論されてきたケアマネジメントに対する自己負担導入(ケアプランの有料化)について、議論が交わされた。

これまでの議論の流れ

制度発足当初、ケアマネジメントの自己負担が設定されなかった理由としては、介護の「入口」となるケアマネジメントを無料とすることで、介護サービス利用のハードルを下げる目的があった。発足から10年となる平成22年、初めて利用者負担について言及があり、導入への賛成・反対の両論が展開された。財務省などが繰り返し求めてきた経緯もあり、制度改正の折に度々議論されてきたが、常に賛成意見と反対意見がぶつかり、検討が続いている。

ケアプラン有料化の課題

今回の介護保険部会でも委員から様々な意見があがった。日本経済団体連合会常務理事の井上委員からは、持続可能な制度をいかに構築していくかという観点で「ケアプランの有料化も重要な論点で見直しが必要」という見解を示した。これに対して、認知症の人と家族の会常任理事の花俣委員からは、「制度の持続可能性を考えた上でも、ケアプランの有料化や原則2割負担など自己負担が増えることで、生活が立ち行かなくなり、経済的な理由から必要な介護サービスを利用できないという状況は認められない」といった利用者目線の意見があがった。

他に、セルフケアプランの増加による介護の質の低下について懸念が述べられ、ケアプラン有料化の議論には、質の高いケアマネジメントの実現を重視した検討が必要だという意見もあった。過去の介護保険部会では、有料化することで利用者の要望が高まり、業務範囲を超えた過度な相談が増えるのでは、という懸念もあがっている。

日本介護支援専門員協会副会長の濱田委員は、ケアマネジメントは介護保険事業の基盤であると強調し、ケアマネジメントの自己負担導入に強く反対した。加えて、ケアマネジメントの質を担保するためにも、処遇改善、業務負担軽減などを求めた。

厚労省は、これまでの議論の経緯やケアマネジメントの実施状況、自立支援 ・ 重度化防止の実現に向けた質の高いケアマネジメントの実現等を論点として、検討を続けていく構えだ。ケアプランの有料化が現場のケアマネジャーにどのような影響を与えるのか、現場レベルの目線もふまえた、慎重な議論が期待される。

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