市販薬で代用可能な処方薬を保険外に、医師会が反発 「受診抑制や重篤化を招く」


《 医師会・松本常任理事 》

来年度の診療報酬改定を見据えた攻防が既に始まっている。

日本医師会の松本吉郎常任理事は28日の会見で、「市販薬で代用可能な薬を公的医療保険の対象から外すべき」との保険者側の主張に反論した。

「患者の受診抑制、重篤化につながる」と問題を提起。「医療費削減ありきだ。保険者として被保険者の健康の向上・維持に対する配慮が全くないことに失望した」と厳しく批判した。

今月23日、大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合連合会が提言を発表した。

市販薬と効能が同じ花粉症の処方薬を保険から外すことで、年間約600億円の医療費を削減できると指摘。将来的には、花粉症薬に限らずそうした薬全般について、保険からの除外や自己負担率の引き上げを行うよう注文した。

これに対し医師会は、患者が医療機関への受診を控えるようになってしまう結果、かえって重症化を招くリスクが高いという。市販薬でも危険な副作用を起こす可能性があり、安全面のデメリットも生じると訴えた。

松本常任理事は、「財政の厳しさを患者に責任転嫁すべきではない」と持論を展開。健保連に対し、加入者の健康づくりや予防など本来の業務に注力すべきと苦言を呈した。

健保連はこのほか、高血圧などの生活習慣病の治療薬を優先的にジェネリック医薬品へ切り替えることにより、年間でおよそ3100億円が抑制できると主張している。

国民医療費は2017年度の時点で実に42.2兆円。介護費のおよそ4倍にのぼっている。これをどう抑制していけばいいのか、これから年末に向けて議論がさらに熱を帯びていきそうだ。

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