介護の文書、削減へ。年内取りまとめに向けて専門委員会スタート

8月7日、厚生労働省において「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」がスタートした。検討対象は行政が事業所に求める文書に絞られ、実地指導の際に作成する指導監査関連文書などが含まれる。事業者と行政の双方に有効な負担軽減策となるよう、事業者側と行政側のそれぞれの意見を持つ委員が集まった。年内の中間取りまとめ、介護保険部会への報告に向けて議論が進む。

文書の負担、現場の課題は?

負担軽減の検討対象のひとつである指導監査関連文書については、今年5月に「実地指導の標準化・効率化等の運用指針」として通知が出され、「標準確認文書」以外の書類提出は求めないとされた。

・介護保険最新情報Vol.730

検討会では、事業者側から文書を作成するために残業しているなどの発言があり、いっぽう行政側からは、適切な指導や不正防止のために一定の文書が必要であるとの意見があった。決して対立関係ではなく、標準化・効率化は双方の負担軽減につながるという共通認識のもと、意見交換が行われた。

厚労省は実地指導の標準化・効率化について、より多くの事業所を適切に指導し、サービスの質の確保や利用者保護の効果を狙うものであり、負担軽減だけが目的ではないことを強調。また、前述したvol.730の通知により標準化・効率化が進むものとは楽観視しておらず、実効的な施策となるように検討を進めていくという。

今後の負担軽減策に向けた検討テーマ

現状課題として、自治体ごとに提出様式や添付書類が異なることや書類の内容が重複したりしていること、押印が必要な書類が多くICT化が進まないことなど、多角的な意見があがった。

今後の方策として、提出様式・添付書類の標準化、ICT化による効率化や、ICT化導入支援などを始め、様々な検討テーマが提案された。

実地指導におけるICT化については、PCやタブレットの画面で確認する自治体も一部あるものの、紙の文書を求められるケースのほうが依然として多いのが現状だ。日本介護支援専門員協会副会長の濱田委員からは、実地指導時のICT活用が進めば、負担軽減につながるのではという意見があった。

また、ケアマネジャーが利用者宅を訪問した証明として押印をもらう「訪問確認簿」を例に、利用者が認知症の場合や、押印に抵抗感がある利用者も多いなど、押印をもらうことのハードルが年々高まっていることにも触れた。押印の必要な書類を減らすことが、文書の負担軽減につながるという現場目線の意見もあった。

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